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2016年07月15日

小学校集団食中毒から20年...今もなお後遺症で苦しむO157食中毒の脅威。

提供元: Doctors Me


「O157食中毒」は感染すると、さまざまな症状に襲われ、場合によっては死に至る危険性もある病原菌です。
大阪府堺市小学校の集団食中毒から今年で20年。ここで再度「O157食中毒」の危険をみなさんに伝えたいと思いました。

医師に「O157」の解説、感染経路、症状、対策などを聞いてきましたので、正しい知識と理解をしていきましょう。

O157とは、何ですか?

O157とは大腸菌の一種でベロ毒素という特殊な毒素を持っていることが特徴です。ほとんどの大腸菌は無害で腸に常在していますが、には腸管から体内に侵入して身体に色々な影響を与える大腸菌があります。

O157は最も重篤な症状を起こす病原性大腸菌の1つで、腸管出血性大腸菌と呼ばれています。

ベロ毒素をもつ病原性大腸菌には、他にもO1、O18、O26、O104、O111、O128など多数がありますが、O157は比較的多くベロ毒素を持っています。

O157が人間の体内にどのように感染しますか?感染経路を教えてください。

O157に汚染されている食べ物を摂取することで感染します。

腸管の中で増えてベロ毒素を産生し、腸管から身体の中に侵入します。汚染された食べ物だけでなく、調理器具や手からも次々と汚染が広がります。

通常の感染性胃腸炎を起こす細菌であれば約100万個の細菌を経口摂取しないと発症しませんが、O157は100個程度の摂取でも発症しますので、注意が必要です。

O157が体内に入ると、どのようなことが起き、どのような症状が現れますか?

O157が体内に入るとベロ毒素を産生します。この毒素は細胞のタンパク質合成を阻害することによって細胞に障害を起こします。このために腹痛下痢、嘔吐という感染性腸炎や、大腸に潰瘍ができて下血が起こります。

また、血液中にもベロ毒素が取り込まれてしまうために、赤血球を破壊して溶血性貧血や、腎臓の毛細血管や尿細管細胞を破壊して急性腎不全を起こすことがあり、これを溶血性尿毒症症候群と呼ばれています。

他にも脳症なども起こすことがあります。これらの合併症は成人よりも小児に多い傾向があります。

O157食中毒は今もなお後遺症に苦しむ患者がいますが、なぜ後遺症があらわれるのですか?

集中的な治療で溶血性尿毒症症候群を乗り越えられても、壊れてしまった腎臓の毛細血管のために高血圧になってしまうことがあります。

この病気は腎血管性高血圧といい、腎血流が低下したために全身が低血圧状態にあると認識した腎臓の細胞から、血圧を上昇させるホルモンであるレニンを分泌して高血圧になります。

O157食中毒の後遺症によって引き起こされる可能性がある症状・病気を教えてください。

腎血管性高血圧は急激で難治性、治療抵抗性な高血圧を起こします。頭痛吐き気、嘔吐などの高血圧の症状を起こすだけでなく、適切な治療を早期に開始しないと動脈硬化が急速に進みます。

脳症が起こると頭痛、痙攣や意識障害、麻痺が起こります。適切な治療によって死亡することから免れても、情緒不安定になったりすることがあります。

腎機能低下も見られることがあります。まれには徐々に腎機能が低下して腎不全になることもあります。

O157食中毒を防ぐために、日常生活で気をつけた方が良いことを教えてください

牛肉等を生で食べないことはもちろんですが、挽き肉がO157に汚染されると、ハンバーグを作る際によく焼いても中まで火が通りにくく、O157が生き残る可能性があります。

手や調理器具がO157で汚染されてしまうと、O157は2週間程度は生きており、それを使って調理したもので感染する可能性があります。これらを防止するために加熱することができる器具は加熱消毒して下さい。75℃で1分間の加熱で十分です。

加熱できない場合は塩素系漂白剤で洗って下さい。できない場合は石鹸と流水で十分に洗って下さい。これだけでも予防効果があります。風邪の予防のように外から帰ったら必ず手洗いをして下さい。

最後に「O157食中毒」についてアドバイスをお願いいたします。

これからの時期は感染性胃腸炎の時期です。
色々な原因で感染性胃腸炎は起こりますが、余程のことがない限り健康な人が感染しても重症化して命の問題になったり、後遺症を残すことはまれです。

O157による感染性腸炎は下血するだけでなく、合併症として命の問題になったり、後遺症を起こしうる溶血性尿毒症症候群や脳症を起こすことがあります。

このような状況にならないために、感染しないように手洗いと消毒を励行し、生の可能性がある肉料理は取らないようにしてください。特に子供の好物であるハンバーグ、最近流行っているハンバーガーに注意してください。

(監修:Doctors Me 医師)
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