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2016年06月04日

旦那の“やおい穴”から赤子が産まれてくればいいのに……! 100回お見合いした腐女子の、壮絶な出産記

提供元: ダ・ヴィンチニュース

『100回お見合いしたヲタ女子の出産記』(肉子/宙出版)

 ここ数年ブームになっている、腐女子の婚活エッセイ。恋愛に苦手意識を持つヲタ女子がいかに結婚したのか、という物語は、恋愛に悩む女子たちの共感を集めている。Pixivで実録婚活マンガを連載し、累計閲覧数200万を記録した人気作家・肉子さんも『100回お見合いしたヲタ女子の婚活記』(宙出版)という作品を出版している。このたび、そんな彼女が続編となる作品を発表した。『100回お見合いしたヲタ女子の出産記』(宙出版)だ。

 本作はその名の通り、自身の出産経験を題材にしたコミックエッセイ。ナイーブなテーマをコメディにくるんで表現しているため、終始笑いながら読むことができる内容になっている。

 肉子さんは、マンガとゲームが趣味で、BLと同人誌を愛する生粋の腐女子。そして夫であるミクさんは、美少女ゲームと萌えアニメが大好きな乙男。本人たち曰く、「婚活で売れ残った者同士くっつきました」とのこと。もうこの時点で、お腹いっぱいになりそうである。

 けれど、そんな風に自嘲しているものの、ふたりの生活は幸せそうだ。ヲタ同士のため、

「お互いの萌えを妨害しない」
「相手の萌えの理解を求めない」
「マイ萌えを語らない」

という暗黙のルールを作り、ヲタ夫婦として円満な毎日を送っている。

 このように仲のいいふたりだが、妊娠する気配はゼロだったそう。そこで結婚早々に妊活に挑戦。1年目は病院指導のものタイミング法を試し、2年目には人工授精を、そして3年目には体外受精へとチャレンジしていった。こうしてかかった費用は、およそ160万円! 婚活の次は妊活にお金が飛んでいってしまったのだ。

 けれど、そのかいあって見事妊娠した肉子さん。ミクさんも非常に喜んでくれたそうだ。しかし、子どもを意識するあまり、とんちんかんな行動に出始める。それは、肉子さんに対するヲタ活動の禁止。推奨年齢18歳以上のゲームをやろうものなら、「赤ちゃんに変な影響が出るからダメ!」と言い放ち、同人のイベントに参加しようものなら、「赤ちゃんが腐胎児にならないかな……」と溜息をつく始末。いかにもヲタ夫婦らしい心配の仕方である。

 とはいえ、お腹の子はすくすくと育ち、いよいよ出産へ。そして、本作においては、この出産時のエピソードが一番壮絶なのだ。なにがって? それは「痛み」について。会陰切開や子宮口の内診、手で卵膜を破って破水させ、研修医に教えながらの会陰縫合……。身をもって経験できない男でも、読んでいるだけで股間がヒュッとしてしまう。いや~、やはり母親は偉大なものである。

 もちろん出産してからは、自分の時間なんてない。けれど、同人誌を楽しむことやゲームができない状況も苦にならないというから、やはり母親というものに対して敬意の念を抱かざるをえない。

 そして、そんな肉子さんに奇跡が訪れる。それは、ふたりめの自然妊娠。ひとりめを妊娠する時に相当苦労したからこそ、「そんなバカな!」と信じられないくらい驚くこととなったそうだ。しかし、うれしいものの出産は怖い。むしろ、一度経験しているからこそなおさら怖い。ミクさんに、「頼むから代わって! やおい穴から赤子をひり出して!」と懇願するほどに。

 そんなこんなで4人家族となった肉子さん一家。これで穏やかな幸せが待っている……と思いきや、新生児を見た上の子の赤ちゃん返りが始まってしまい、壮絶な日々はまだまだ終わりそうにないのである。

 さて、ヲタ夫婦はいったいどんな家庭を築いていくのか。その子どもも立派なヲタになるのか。100回お見合いをした末に、幸せな家族を手に入れた肉子さんのその後も気になるところだ。ということで、次は『100回お見合いしたヲタ女子の育児記』の出版に期待したい。

文=五十嵐 大
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