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2016年09月09日

「今日は鮭の西京焼き」「うわ、おいしそう」 朝の穏やかな風景が目に浮かぶ、50代の父親ロッカー辻仁成が作る優しさのつまった朝弁写真集

提供元: ダ・ヴィンチニュース

『50代のロッカーが毎朝せっせとお弁当作ってるってかっこ悪いことかもしれないけれど』(辻仁成/主婦の友社)

 2003年に渡仏し、2014年に離婚して世間を騒がせた辻仁成。あの離婚騒動から2年が過ぎ、彼は今、フランスで毎朝せっせと息子のために「朝弁」を作っている。『50代のロッカーが毎朝せっせとお弁当作ってるってかっこ悪いことかもしれないけれど』(辻仁成/主婦の友社)には、辻仁成がシングルファザーとして奮闘した記録と愛情がつまっている。

 本書は、辻氏が息子のため、毎朝作ってきた弁当の写真が載せられている、弁当の写真集だ。この弁当は、朝、息子が学校へ行く前に食べてもらうという。なぜそんなことを始めたか。きっかけは、中学生になった十斗(じゅうと)くんが課外授業やクラブ活動で忙しくなり、帰りが遅くなったことだった。辻氏は、父子の時間を作らねばと考え、早起きして朝弁をこしらえることにしたそうだ。朝弁を作っていると、十斗くんが起きてきて、辻氏の背中を見つめて「何食べるの?」と聞いてくる。「今日は鮭の西京焼き」と返すと「うわ、おいしそう」と会話が起きる。このやりとりだけでも親子の大切な時間だ。十斗くんが朝弁を食べているとき「忘れ物はないな?」「うん、大丈夫」という会話がある。素敵だ。穏やかな朝の風景が目に浮かぶ。

 朝弁の写真の横には、辻氏の言葉が添えられている。いや、父親の言葉が添えられている。どの文章を読んでも、とても優しい。

作りすぎたかな~。日本の海苔弁食べたくなってね。笑。十くん、笑ってます。さて、食べたら登校だよ。いってらっしゃい。

2段重ねの父ちゃんの愛情弁当なり。修学旅行、行きのTGV(高速鉄道)の中で食べるお弁当何のサンドがいい?と聞いたら、おにぎり弁当がいい、と十くん。笑。見せびらかすつもりだな? 一週間、パパさんはひとり。寂しいかな。笑。十くん大西洋の楽園で、クラスメートと共同生活!笑。BENTOジャポネ! tres bien!

今朝は十くんの大好物、納豆朝弁なり。笑。こちらの日系スーパーで冷凍ですが買えます。十くん、完食なり。笑。

 上記で分かるように、本書で載せられている朝弁は、和食だ。フランスで住んでいるのだが、できるだけ和食を作るよう食材をそろえ、奮闘しているようだ。美味しければ会話も弾む。2人で生きることが決定したときから、食事の時間を大切にしてきたそうだ。父と子をつなぐ大切な時間だ。

 誰もが「お弁当」には思い出があるはずだ。お母さんが作ってくれた弁当を持って校外学習へ出かけたり、運動会の昼休みに親子で弁当を食べたり。私は、オカンが作った「べしゃっとした俵おにぎり」を今も覚えている。オカンは料理が得意ではない。だから、おにぎりはべしゃっとしているし、たいていふりかけをかけすぎて味が濃い。しかし私は、校外で友達と食べる「べしゃっとした俵おにぎり」が嫌いではなかった。子どもの頃の思い出の一部だ。辻氏はこう語る。

子育ては確かに大変である。お弁当作りはしかし最高の愛情表現であろう。(中略)子どもの笑顔にまさる喜びはない。毎朝、おいしいを頑張る人にこの本を届けたい。

 何もかっこ悪くない。50代の父親ロッカーの優しい想いが1冊につまっている。

文=いのうえゆきひろ
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