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2016年10月15日

親の「おどおどする姿」が子どもの病気を悪化させる!?  日本一忙しい小児科医が教える、病気にならない子育て術

提供元: ダ・ヴィンチニュース

『日本一忙しい小児科医が教える 病気にならない子育て術』(鈴木幹啓/双葉社)

 すこしインターネットを調べると、育児情報が次々と出てくる便利な世の中だ。しかし、ネットの情報は玉石混淆。中には眉唾ものもある。とはいえ、医療の専門家ではない母親が「玉」の情報ばかり選び取るのは至難の業。忙しい育児の中で情報に翻弄され、精も根も尽き果てる。

『日本一忙しい小児科医が教える 病気にならない子育て術』(鈴木幹啓/双葉社)の著者は、1日平均180人、多い日は350人を超える母子が駆け込む小児科の医師。これまで通算50万人以上の病める子どもを診てきた著者は、情報に右往左往する親の姿が、子どもの病気を悪化させてしまう恐れがある、と警告する。

 どういうことか。本書の「4歳から10歳の子供を持つお母さんへ」向けた章で、この時期の「子育て3か条」を掲げている。3か条の中でもっとも紙幅が割かれているのが「おどおどしない」こと。親があまりにおどおどすると、子どもの病気が悪化し、入院率を高めてしまう恐れがある、というのだ。背景に「疾病利得」の作用がある。

疾病利得とは

病気(疾病)になることによって、自分が利益(=愛情)を得ること。

 本書によると、4~10歳の子どもは、親の愛情をもらうことに必死。まだ、「親に心配をかけないように振る舞おう」という考え方ができない。そのため、病気にかかると、実際に受けているしんどさ以上に「しんどさ」をアピールしてしまうという。

 これを受けて親がおどおどしてしまうと、その姿を「こんなに自分のことを思ってくれているんだ」という愛情と受け取った子どもは、さらに「しんどさ」を演出し、親はさらにおどおどする…という悪循環に陥ってしまう。問題なのは、「頭が痛い」などと過剰にアピールするうちに、本当に「頭がとても痛くなってしまう」場合があること。そして、兄弟がいる家庭では、「僕も愛情がほしい」と思ったもう1人の兄弟がしんどさをアピールし、本当に不調を起こしてしまうという負の連鎖が生じてしまうこと。本書は、これを「親が作った病」と辛辣だ。

 かと言って、子どもの「わざと」(過剰)を見抜いて指摘するのも、得策ではないという。子どもがほしいのはあくまでも愛情なので、「わざと」が指摘されると、それをカバーするべく「わざと」をヒートアップさせ、その症状がときに現実のものとなってしまう。こういう場合は、子どもの演技に乗ってあげるのが子どもの病気を悪化させない子育て術。

 子どもに疾病利得の意識を起こさせないためには、親が普段から「好きだ」「大切だ」という言葉を投げかけて抱きしめてあげるだけでよく、病気のときには必要以上の「おどおど」や看病で愛情を示す必要はない、と断言している。

 ちなみに、母子で小児科を訪れたときに、親が過剰な心配で「おどおど」していると、それを見た医師は「家での介抱が無理かもしれない」と考え、「子供の状態では決して入院のレベルではないけれども、親が家で見られないであろう」と判断し、入院を勧める場合があるという。これを「社会的入院」というそうだが、医師は当然、親に「これは社会的入院ですよ」と明かして心を傷つけたりしない。親の「おどおどする姿」が子どもを入院させたにもかかわらず、親は自分の振る舞いのせいだと気づくことができず、のちに同じ事態を繰り返してしまう可能性がある。親の過剰な「おどおど」は百害あって一利無し、なのだ。

 本書は、

親が心配する多くの子供達の異変は実は病気でもなんでもないことが多い

 と言い、主にインターネット上の情報をもとに子どもの状態を「標準より遅い」「普通と違う」と勝手に判断し、子どもを「病気」にしている例が少なからずあることを問題視している。溢れかえる情報の中で、子どもを過度に「標準」「普通」の枠に押し込めないことで、かえって子どもの健康を守れるケースもあるようだ。

文=ルートつつみ
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