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2016年08月25日

離婚寸前から夫婦が再生できた理由/イクメン・杉山さんインタビュー【2】

提供元: messy|メッシー

  •  アパレルデザイナーの妻(アヤコさん)と中1の長女(なっちゃん)、保育園年中さんの次女(たまちゃん)を支え、放送作家の仕事と兼業主夫で日々奮闘する杉山錠士さん。長女が誕生して早々から夫婦は喧嘩続き。離婚を考え始め、離婚調停に向けて着々と準備をしていく日々。そんな中で、アヤコさん、2人目の妊娠が発覚。一体なぜ? そして、杉山さん自身にも大きな“気付き”があったといいます。それは何だったのでしょうか。

離婚をして親権を得るために「家事育児」に取り組んだ夫/イクメン杉山さんインタビュー【1】

 離婚調停の準備を進めていく中で発覚、2人目の妊娠

――ここまでいかに夫婦喧嘩が絶えなかったか、離婚を検討していたことも含めて伺ってきましたが、あの……コミックエッセイの中では、2人目のお子様・たまちゃんが、さらっと誕生してましたけど……セックスレスではなかったということなんでしょうか?

杉山 いえ、レスでした(苦笑)。2011年の12月末に誕生しているのですが……つまり、震災ベイビーなんですよ、なんと。2010年の冬には離婚手前、それこそ僕が離婚調停の準備をしていて、知り合いの弁護士さんにいろいろと相談をして「2011年の5月くらいに」って予定していたんですね。そんな中で、3・11の震災が起きました。不仲になってからの僕は、家事育児はするんだけど、子供を寝かしつけてから夜は飲み歩くような生活をしていたんですけど、地震以降はそうもいかなくなって。いつ余震がくるかわからないから家からも出られないし、節電で家の中は暗いし、う~んって言ってるうちに……えぇ、子供が産まれました。

――家にいる時間が増えたからといって、そうなるものですか?

杉山 いや……単純に一緒にいる時間が増えて結果的にコミュニケーションが復活したのが大きいですね。

――離婚調停の準備までしていたご夫婦を、何が変えたんでしょう。

杉山 僕よりも妻が変わったことが大きかったんです。多分、3・11の怖さもあったんだと思うけど、前の年に、その“指輪事件”があってから、「夫は離婚に対して本気だ」っていうのはひしひしと感じてたのだろうし……コミュニケーションをある程度とるようになって。それまではお互いに「この人、言ってもわからん」っていうのがいっぱいあったけど、コミュニケーションが復活して、「言ってもわからないから」じゃなくて、それまであまり言わなかったことを僕もズバッと言うようにしたんです。そうしたら、妻は意外と、辛辣なことを言われても平気な人だった。溜め込むんじゃなくて言っても大丈夫だなってわかったら、僕自身も楽になっていったんですよね。

「“普通”なんてない」と思うことにした

――コミュニケーションはやはり大切ですね。

杉山 あとは僕自身、2人目が産まれるってなった時に、ふたつの大きなことに気が付きました。ひとつは、自分が「普通はこうだろう」って思ってることは、「普通」じゃないっていうこと。たとえば、「水をこぼしたら拭く」のは当たり前の行動だと思っているけど、水をこぼしても拭かないで乾くまで待つ人もいる。色んな人がいるっていうことに対して、「良い・悪い」で見てたけど、そうじゃなくて「単純に違う」んだってようやく思えるようになったんです。妻と僕の「普通」は違くて、いわば異文化交流、外国人同士のようなものだと考えるようにしたら、随分変わりました。

――自分の考え方を「変える」のって、簡単なことではないですよね……。

杉山 目の前で起きた出来事の捉え方をいちいち変換するんじゃなくて、根本を変換すると変わりますよ。

――根本とは?

杉山 子育てもそうなんだけど、小さい子って「なんで、こんなワケわかんないことするんだろう」って思うような動きをする。そこで「なんで?」と考えたり、大人がわかるように矯正しようとするとイライラするけれど、「あ、子どもなんだし理由なんてねぇや」ってことに辿り着くと、子どもが何をやっても平気なの。何でこんなにご飯こぼすの? とか、何でこんなに片付けないの? とか、何でこんなに笑わせにくるんだ?とか……もう色々となんで? って思うんですけど、3歳くらいまでの子に特に理由はないから。それは実は、相手が大人でも一緒で、職場や外で妻は“大人”をやっているけど、外では自分が苦手なことを頑張ってる分、家に帰ってくると子どもみたいになってワケわかんなくなる。それを矯正しようとしなければイライラしない。

――なるほど。もうひとつは……?

杉山 考え方を変えるのと似ているけれど、「嫁は天才」なんだと思うことにしました。馬鹿と天才は紙一重って言うけど、妻の場合は、「天才」。って、勝手に決めつけておく。だから、僕が理解できないような行動を彼女がして「何でそうなるの?」と苦々しく思っても、彼女からすればその行動は当然なんだ、と思えるようになりました。僕は、自分が天才じゃないと思うから、天才のやり方を理解出来なくて当たり前って。この人天才だから、って見ると全部がすごく見えるっていうか「あ、それ気にならないんだ、やっぱ天才はすげぇな!」って。

――たとえば、どんな状況でそう思うんですか?

杉山 うちの妻は、公園には、まず行かない。汚れるのがイヤだから、です。普通は「子供がいれば汚れるのが当たり前だから、汚れてもいい服装で行こう」の流れになるけど、妻の場合は、汚れる場所に行くために汚れてもいい服を着る、っていうことが理解できない、納得いかないんですね。そうか、それは天才だから仕方ないな、公園はお父さんと行こう! と。

――笑。

杉山 ただその件に関して言えば、実は「理由がない、わからない」ものではなかったんですよね。幼少期の彼女にとって公園が「楽しい場所」ではなかったからなんです。彼女のお父さんは潔癖症だったそうで、公園に連れて行ってくれることがあっても、砂場には菌がウジャウジャいるからってすぐ手を洗って帰らなきゃいけない。そのうち妻は公園に行っても楽しくない、行きたいとも思わなくなった。そんなふうに彼女自身、公園にいい思い出がないから、子供たちの公園に行きたいって気持ちが理解できないのかもしれないです。ブランコも滑り台も全部、彼女にとって「危ない」だけのものとしてインプットされているから。妻にとって公園は「危ない」と「汚い」の塊で、だから行きたくないわけです。だから公園は僕が連れていきます。

――根深い問題だったんですね。お子さんたちが「ママと一緒に行きたい!」ってねだったりは?

杉山 長女は泣いて駄々をこねるようなタイプの子じゃなかったので、おとなしくパパと公園に行ってましたね。でも、下の子のたまちゃんはまたタイプが違くて、やるんですよ、道端で「抱っこぉー!」って大暴れして泣いたりとか(苦笑)。長女はもっと控えめで「抱っこできないよ」と言われれば我慢していたと思います。

――すると奥さんは道端で抱っこをせがみ暴れるたまちゃんをどのように……?

杉山 抱っこするんですよ、それが。長女の時と今とで、接し方がだいぶ違うように見えます。やっと子供が「可愛い」になったんだと思いますよ。もちろん1人目も可愛いはずだけど、妻はとにかく自分のペースがすごく大事な人だから、ペースを乱す人は、自分の子供だろうが何だろうが絶対に許せなかった。年齢と経験を経て、やっと余裕が出てきたのかもしれません。

打算的な妻には、「メリット」を説明する

――そうなると、上のお子さんは今ちょうど思春期で、お母さんとの関係はどんな感じですか?

杉山 戦いまくっています。激しい口論が繰り広げられています……。長女から見ると妻は「やってくれない人」。だけど、妻からすると、「すごくやってる」って思っているから、そこにすれ違いが生じているんですね。

――やってくれない、というのは、長女さんにとって「私にかまってくれない」ということ?

杉山 うーん、妻は実際に色んなことをやっているんですよ。たとえば、日曜日のバレエレッスンの時はお弁当が必要なのですが、それは僕じゃなく妻が作っているし、バレエ発表会の前になると、衣装のサイズ直しとか、トゥシューズのカスタマイズもしてる。だから、妻自身は「なっちゃんに関わっている」と思っているんだけど、長女がしてほしいって思ったタイミングでしてほしいことをするわけじゃないから、長女は満たされない思いがあって。需要と供給がマッチしてないわけだから、常にそれがぶつかってますね。

――杉山さんが、その喧嘩の場に居合わせた時はどうするんですか?

杉山 2人が目の前で喧嘩してたら、とりあえず、「ちょっとストップ!」って、娘だけを別の部屋に呼びます。

――母親じゃなく娘のほうを。

杉山 そう、まずなっちゃん。どっちが悪いとかじゃなくて、君が母親を怒らせているのも事実。君が怒りをぶつけているタイミングが悪いのも事実だから、ちょっと待て、と。その時は「なんで私が怒られなきゃいけないの?」ってなるから「わかってる、だけどこういう状態になった時にちゃんとパパの言葉に耳を傾けるのは、ママよりなっちゃんじゃんって。この喧嘩を収めるための一番いい方法を選んでいるだけだから」。って伝えて話しますね。

――そして、奥さんは?

杉山 ふて寝してる時もありますよ(笑)。多分、彼女は、自己肯定感は非常に低くて、自分が「やろうと思っていることを、やろうと思っているレベルで出来てない」ことの罪悪感がうっすらあるんだと思います、母親業について。だから長女との喧嘩でそこを突かれるととても傷つくし怒る。僕との喧嘩でもそう。また、再三言うようですけど、彼女は自分の気持ちを人に伝えるのが苦手だし、そのことがコンプレックスでもあるから、喧嘩になると「私のことバカにしてるんでしょ?」みたいになっちゃったりする。いや、そうじゃないんだけど、って。子育ての話じゃなくなってますけど……大丈夫ですか?

――大丈夫です、ご夫婦のお話をお伺いしたかったので。そういう夫婦関係の話って大事なことだけど、相手があることだから話せなかったするじゃないですか。逆に、奥さん大丈夫でしょうか……

杉山 妻もそんな話を僕が他人にするのは嬉しくないと思いますよ。でもなぜこうやって話せるのかっていうと、彼女は、基本的に打算的に理解してくれるタイプだからなんです(笑)。最初は、僕が「主夫」を名乗ってメディアに出るのも嫌がっていたけど、「僕が家事やっていると、目先の仕事が減ってくじゃない? でも、こうやって僕が子育てをやっています、主夫です。って周りに話していけば、この先それが仕事になるよ」「子育て番組の依頼がきたり、子育ての連載が出来たら、その方が食えると思わない?」って説明したら「あ、そうだね」って。それからは「いいよ、どんどん前だして」って(笑)。家事に関しても、「君がそれをやることでどういうメリットがあるか」って伝えたら、やるんですよ。食事作りの中で今はお弁当と朝ごはんが妻の担当なんですが、「子供が小学校に入って『お母さん料理しない』って外で話すようになったらシャクじゃん。仕事から帰って夜ご飯作るのは大変だけど、朝ごはんでパンを焼いて目玉焼き出すだけで、『お母さんも朝はやってるよ』って話になれば、全然印象が変わるよね」って話したら「あ、そうだね」と納得して、それからずっと朝食を作るようになりました。お弁当も「子供に『お弁当はママが作るから楽しみなんだ~』って思わせたら、絶対メリットあるじゃん」って言ったら、「あ、そうだね」って。ホームじゃなくて、アウェイでの見え方が良くなるよって説明をすると、納得してくれるんです。

――先ほどの母娘喧嘩がよくあるという話に戻ってしまいますけど、今は上のお譲さんの悩み相談役は、杉山さんがなることが多いんですか?

杉山 いや、両方ですね。なんとなく、僕は相談役ではないのかなぁ。内容によるけど、あまり解決を求めていない時っていうか、学校の友達がどうのとかは妻に吐いてる感じがするし、そこは女同士なのかなぁって思う。解決を求めている時は僕に聞いてきたりもするし、聞かれたら答えるけど、聞かないって事は聞かない理由があるわけだから、そこにあえて足を踏み入れるのは失礼だし、やらないようにしていますね。

<続くパート3では、杉山さんがオーナーを務めるバー「cero」で開催される月1イベント「イクメンcero」では、どんな集いなんでしょう?そして現在、世の中で多発中の“不倫”について、“イクメン”はどう考えているのでしょうか>

離婚をして親権を得るために「家事育児」に取り組んだ夫/イクメン杉山さんインタビュー【1】

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