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2016年06月09日

妊婦への重労働や危険業務は違法! 妊娠中の勤務で知っておくべき労働基準法

提供元: マイナビニュース

●妊産婦が業務転換を要求できるのはどんなケース?
妊娠中や出産後は、身体的にも精神的にも負担の多い時期。だからこそ、妊娠・出産・育児と仕事を両立するための各種制度を正しく理解し、しっかり活用することが大切です。その制度は何も、休業に当たる「産休・育休」だけではありません。そこで今回、働く妊婦・ママが知っておきたい法律・制度を、弁護士の篠田恵里香さんに聞いてみました。

○業務転換の要求は正当な権利

産休・育休に関しては、「産休・育休の定義を正しく理解してる? - 妊婦が知っておくべき労働基準法」で紹介させていただきましたので、そちらを参考にしてみてください。そして、法で守られているのは妊娠や育児に関する休業だけではありません。携わる業務に関しても、妊産婦(妊娠中や産後の女性)の身体を守る観点から定められていることがあります。

まず、妊婦の身体で「今の仕事はちょっとつらい」という場合は、会社に業務の転換を求めることができます。法律上、「妊娠中の女性が希望した場合には、今の業務から他の軽易な業務に転換させなければならない」と定められています(労基法65条3項)。従って法律上、「業務を転換してほしい」という申し入れをすれば、会社はこれを拒めないことになっています。

また妊産婦は、重労働や危険業務に携わると、母体や胎児等に影響がでる危険がありますよね。これを踏まえ、法律では妊産婦について、「一定の危険有害業務に従事させてはならない」とされています(労基法64条の3参照)。例えば、「重量物を取り扱う業務」「ボイラー取り扱い業務」「高さ5m以上の転落の恐れのある業務」などは、妊産婦には就業させてはならない業務として、具体的に「女性労働基準規則」で定められています。

○1歳未満での復職なら育児時間の請求も

まずは、勤労時間・育児時間に関することからご説明します。変形労働時間制の雇用形態の場合で、妊産婦が会社に請求した場合には、1日および1週間の法定時間を超えて労働させることはできないとされています。また同様に、妊産婦が請求した場合は、法定の労働時間を超えた時間外労働、休日労働、深夜業をさせることもできないとされています(労基法66条)。

加えて産後休業後、子どもが1歳になるまでに復職する場合は、子育てのために1日2回各々少なくても30分間の育児時間を請求できます(労基法67条参照)。「労働時間が厳しいな」と思った場合は、これらの制度を有効活用しましょう。

保健指導や健康診査に関しても法整備されています。続いては、特に妊娠中に配慮された諸制度について説明します。

●つわりで働けない状態なら「傷病手当金」が出るケースも
○休憩時間の延長・回数増加も認められる

まずは保健指導や健康診査に関してです。事業主(会社)は、女性労働者から妊産婦のための保健指導や健康診査の受診を求められた場合、必要な時間(妊娠36週以降は週に1回等)を確保しなければならないとされています(男女雇用機会均等法12条)。そして、妊産婦が健康診査・医師等からの指導を受けたのであれば、会社は勤務時間の変更や勤務の軽減等必要な措置を講じなければなりません(同法13条)。

具体的には、時差通勤・勤務時間の短縮、休憩時間の延長・休憩回数の増加等の措置、業務作業の制限・休業等の措置といった措置を講じることが求められます。仮にこれらの対応が就業規則等に記載されていなくても、正当な権利として会社に申し出ることができます。

○「母性健康管理指導事項連絡カード」の活用

こうした医師等・労働者・会社の連絡をスムーズにさせるために、「母性健康管理指導事項連絡カード」が用意されていることをご存知でしょうか。医師等の指導事項を会社に対し的確に伝え、これに基づく母性健康管理の措置を会社側が的確に講じられるようにするためのものです。

このカードを活用することによって、医師等・労働者・会社の間で「妊産婦の症状とこれに基づく措置」について共有することが可能となります。「母性健康管理指導事項連絡カード」の詳しい内容については、各都道府県労働局雇用均等室に問い合わせてみてください。

妊産婦が妊娠・出産をしたり、産休・育休を取得したり、妊娠中の時差通勤・深夜業免除などの保護措置を受けたりことを理由とし、会社側が解雇その他の不利益扱い(減給・降格処分等)をすることも法律で禁止されています。仮に不利益処分をされた、もしくはされそうという場合は、「違法である」としっかり主張する必要がありますので、怖(お)じ気づかずに、弁護士にご相談いただくことをオススメします。

○「つわりがひどくて休業」も正当な権利

また、つわりに悩まされる妊婦は多いものです。「母性健康休暇」などの制度がある会社であれば、これに基づき、つわりを理由に休暇をとることは可能でしょう。仮にこういった制度がない会社でも、男女雇用機会均等法第13条により、医師の診断等により「つわりで休暇が必要」ということであれば、会社は休暇を与えなければなりません。仮に休暇をとったことにより、減給処分や人事評価を下げるといった不利益扱いをすることは、上記のとおり禁止されています。

なお、この休暇中の給与については有給休暇でない限り、会社は給与を支払う義務はありませんが、出産手当金の対象でなければ、傷病手当金が出る場合があります。連続して4日間「つわりで働けない状態」となれば、4日目以降は健康保険から「傷病手当金」として、基礎給与日額の3分の2が支給されることになっています。

つわりの有無や程度は人によって異なり、中には四六時中、さまざまな症状の不具合を感じる人もいます。あまり続くようであれば我慢せず、一定期間療養することも大切です。このような制度についても賢く利用することが大事ですね。

妊娠中や出産後の法律は、働くお母さんにとって、「仕事と子育てのための大事な武器」となります。ぜひ、妊娠したその時から、これらの法律を知っておいてください。

※写真はイメージで本文とは関係ありません

○筆者プロフィール: 篠田恵里香

東京弁護士会所属。東京を拠点に活動。債務整理をはじめ、男女トラブル、交通事故問題などを得意分野として多く扱う。また、離婚等に関する豊富な知識を持つことを証明する夫婦カウンセラー(JADP認定)の資格も保有している。外資系ホテル勤務を経て、新司法試験に合格した経験から、独自に考案した勉強法をまとめた『ふつうのOLだった私が2年で弁護士になれた夢がかなう勉強法』(あさ出版)が発売中。『ゴゴスマ -GO GO! Smile!-』(CBC/TBS)や『ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB』(文化放送)ほか、多数のメディア番組に出演中。ブログ
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