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2016年07月12日

妊婦の職場復帰計画 - (3)職場復帰の時期に悩む32歳女子

提供元: マイナビニュース

妊娠がわかり、初めて真剣に考える職場復帰後のキャリア。会社の制度が充実しているか、夫の理解はあるか、親や親戚のサポートが得られるかなど、人によって子育て環境が多様な今、キャリア観もさまざまだ。

このシリーズでは、それぞれ異なる環境に置かれた妊婦たちに職場復帰後の働き方についてインタビュー。今回は、メーカーで総合職として働く水谷さん(仮名: 32歳)に話を聞いた。

出産予定は11月。子どもが1歳4カ月になる再来年の4月に復帰しようと考えていたが、認可保育所に入るのは困難なのが現状だ。0歳児の時点で子どもを預け、働き出すことはできるのか。産後の働き方について考えをめぐらす日々が続いているという。

○子どもを考えた時、キャリアは現実的になった

――子どもがほしいという思いはもともとお持ちでしたか。

自分の中にももともとあったのですが、夫の思いも強かったですね。はじめは、子どもを作る時期について、夫婦の考え方が違いました。夫には私と違って早くに子どもを作って、若いパパになりたいという気持ちがありましたが、私は子どもをうむ前に、ある程度キャリアを積みたいと考えていたのです。

勤務している会社では、地方で5~6年働いて、本社に異動後、専門的な部署でスキルを磨くというキャリアが一般的です。私は受験浪人や大学の休学を経ているので、社会人生活のスタートが25歳。中途半端に仕事をしたくなかったですし、海外や商品開発の部署で働きたかったので、本社に異動後も5~6年は仕事中心の生活を送り経験を積む必要があるなと思っていました。ですから必然的に、想定する出産年齢は30代半ばになってきます。

この夫婦の考え方の違いをすり合わせるために、相当時間を費やしましたが、最終的に結婚前の今の夫から「やりたい仕事は応援したいけれど、30代半ばで子作りを始めて、もし授からなかったとき、本当に後悔しないの? 」と問われたとき、確かに後悔するなと思ったのです。

それをきっかけに、あるタイミングで仕事にフルコミットしきれない時期がくるということを認識するようになりました。

――将来のキャリア像が変わってきたのですね。

そうですね。子どもがほしいというのが自分の中で譲れないものだと気づいたときに、異動先を現実的に捉えなおしたという部分はあると思います。上司にも、入社4~5年目くらいの面談では、希望の仕事を伝えつつ、子育てと両立できるような環境で働きたいと伝えていました。結果的に今はやりたいことに近しい仕事をやらせてもらえ、子育てへの理解もある職場で働けているので、妊娠がわかったときは本当にうれしかったです。

○1歳児の認可園入園は難しいという現実

――職場復帰に向けて悩みがあるそうですね。

まず懸案事項となっているのが、保育所にいつから預けるかです。これまでも子育てについては関心があったので、保育関連の情報は集めていたし、住んでいる地域の保育所の入りやすさなども調べていました。なかなか厳しそうではあるが、なんとかなるだろうと思っていたのですね。

しかしそう簡単ではありませんでした。私は出産予定が11月なので、できれば子どもが1歳4カ月となる再来年の4月に職場復帰したいと考えていたのですが、自治体の説明によれば「兄弟加点等がないと事実上難しい可能性が高いです」とのこと。1歳児の空き定員は少ないのが現状だからです。一方で、来年の4月に職場復帰するとなると、子どもは生後5カ月。預かってくれる施設も限られますし、私も体力的に回復できるのか不安があります。

認可保育所に入れなければ、認可外という選択肢もあると思うのですが、私たちの住んでいる場所から徒歩範囲で預けられる施設がなく、電車で違う駅まで足を運んで預けるということになってしまいます。そうなると、私と夫の通勤経路が逆方向なので、夫婦で送迎協力することが難しくなるのですよね。かといって、保育所の問題で仕事を辞めるというのも嫌ですし……。

――働き方についてはどう考えていますか。

送り迎えのために時短勤務にするのか、フルタイム勤務のまま、フレックス制度を利用して出社時間を早め、送りは夫、迎えは私とするのか、迷っています。時短勤務は職場に気後れしてしまうだろうし、その結果どういう仕事をさせてもらえるのかも不透明。いずれはフルタイム勤務に戻るとなると悩みどころです。

一方でフルタイムで働いたとしても、0歳児の時点で預けた場合、子どもの体調が不安定になると思うので、早退や欠勤をすることも多くなるかもしれません。子どもの状況によるので何もかも想定しきれないのが現状ですね。

今は、0歳で預けることを前提に、スムーズに職場復帰するために前もって準備できることはないか考えています。最近気になっているのが「搾乳」(母親が自ら母乳をしぼること。胸の張りを押さえたり、母親以外の人が母乳を与えたりする目的で行う人がいる)。育休中であれば家でできると思うのですが、職場ではどこでできそうかリサーチしていますね。さらに勤務時間が短くなると思うので、無駄なく効率よく仕事できるように意識しています。

――夫の協力はどうですか。

基本的に子どもが欲しかった人なので、子育てに必要なことにあわせて休みを取ったり、時間に都合を付けてくれたりといったことはしたいと思っているみたいです。しかし夫の勤務先では、部署によって土日出勤があったり、平均的に22時以降の帰宅になってしまったりする場合もあるので、今後の異動先によってはどうなるかわかりません。

○自分らしく生きる方法を模索したい

――これからも同じ会社で働き続ける未来を想定していますか。

将来のことはわかりませんが、今はこのまま働き続けたいと考えています。現在働いている会社は親やベビーシッターなど外部の力を総動員すれば、今まで通りバリバリ働ける可能性も残っているし、時短勤務などの制度をフルに使って自分にできる範囲の仕事をするということもできる。子どもをうめない会社ではないし、うんだからといってすごく不当な扱いを受けるような会社でもないからです。

一方で、働きがいを感じられる仕事がこの会社では実現しにくいと感じたら、子どもとは関係なく辞めると思います。キャリアデザインのベースは入社以来ぶれていませんが、大きな会社なので、業務内容についての希望をどこまで聞いてくれるのかは不透明だからです。

そんな中「世の中には、働き方にいろんな可能性や選択肢がある」と考えることで、キャリア構築の方法を柔軟に捉えられるようになりました。例えば、子どもとの時間を濃密にするために、専門知識を活かせる仕事を受託し週3日だけ働くとか、夫の地元である九州に移住して子どもをのびのびと育てながら、自分はリモートワークを駆使して働くとか……。自分らしく生きられる方法を見つけて、その方法に適応できる自分をつくっていきたいですね。

水谷さんの話で印象的だったのは「誰に何を相談したらいいのかわからない」という言葉だ。共働きで仕事と子育てを両立し、子どもが0歳児の時点で復帰するという状況では一体何が困るのか、あまり可視化されていないのではないかという問題提起だった。搾乳に関しても、手当たり次第に出産を経験した友人などに話を聞き、想定できる問題として初めて捉えることができたそうだ。

「子育て支援の制度など、大きい話だけでなく、一人ひとりの声を集約したら"ここが大変だ"というのがわかる情報がほしい」と水谷さん。フルタイム勤務の共働き子育て世帯は珍しくなくなっているが、まだまだ少数であり、情報が不十分というのが現状なのかもしれない。

※写真と本文は関係ありません
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