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2016年08月09日

三菱東京UFJ銀行の在宅勤務、その効果は?

提供元: マイナビニュース

メガバンクとしては初となる在宅勤務の制度を、7月から本格導入した三菱東京UFJ銀行。ほかにも時差出勤を認めたり、個人の退社予定時刻を見える化したりするなど、子育てや介護しながらでも働きやすい環境整備を加速させている。

顧客の信用情報を取り扱う銀行で、持ち帰りの仕事はご法度とされてきた。このような背景がある中で、在宅勤務はなぜとり入れられ、どのような効果をもたらしているのか。同行人事部企画グループの片山幹 次長、ダイバーシティ推進室の上場庸江 室長に話を聞いた。

○「家でやれる仕事はあるのか」から議論は始まった

同行の在宅勤務制度は、2015年度から進めてきた働き方改革の一環として導入されたもの。対象者は、本部で企画業務に携わっているか、育児・介護ニーズのある行員、約4,000人だ。会社からは、社内と同じ環境にアクセスできるPCが配布され、行員は週に一度、自宅で仕事をすることができる。

「柔軟な発想を持って、より生産性の高い働き方を目指す」「女性、外国人、シニアなど、多様な人材が活躍できる環境を作る」。改革を進めてきた理由について、既に制度導入を果たした他の企業と大差はない。しかしメガバンクとして、同制度を導入することに対して、議論はなかったのだろうか。

「家でやれる仕事はあるのかというところから、議論は始まりました」と語るのは、人事部企画グループの片山次長だ。営業店では客と対面の業務が中心。本部でも、紙の資料を使った会議が一般的であることが背景にある。

そんな中で同行では、2015年の7・8月に在宅勤務の試行を開始。そうすると、はじめは必要性に疑問があった同制度のメリットが見えてきたという。「会議資料の作成やデータ分析などの仕事は、自宅の方が集中でき、生産性が上がった」とのこと。勤務開始時には仕事の予定、終了時にはその結果を上司に報告するルールを設けることで、アウトプットにこだわった仕事ができたそうだ。

在宅勤務は将来的に、全行員の利用も視野に入れているという。もちろん、顧客情報の管理には慎重に対応。PCには十分なセキュリティーをかけて、IDとパスワードがないとアクセスできない仕組みも整えた。片山次長は、「生命保険や損害保険の会社などは、先行して導入しているので、銀行にできないことはないと思いました」と胸を張る。

さらに生産性を上げて働くための取り組みとして、同行では「時差出勤」を導入。事前に上司に申請すれば、出勤・退勤時間を定時より早めたり、遅めたりした4つの勤務体系から、働き方を毎日選ぶことができるようにした。また、退社予定時刻が書かれた専用のカードをデスクに掲示する「退社予定時刻の見える化」も行い、"仕事の終わりを意識した働き方"の浸透を図っている。

○意識改革はこれから

これらの働き方改革は、実際どのように機能しているのだろうか。まず在宅勤務については、導入したばかりでもあり、実際の利用者は「正直、まだ100人程度」との回答だった。電話会議の仕組みや、PC上で複数名が同じ資料を共有できるようなアプリも入れているが、まだまだ対面で会議をするカルチャーが残っているという。

加えて、支店での一律的な活用も、現段階では難しいと考えているそうだ。「インターネットバンキングなど、来店以外の利用ツールも増えていますが、支店での仕事はまだまだ窓口での対面業務が主流です」と片山次長。今後、客側の利用形態が変わっていくにつれ、営業担当者がWEB上で申請受付や相談業務を行うなどの可能性を見据えている。

「時差出勤」は保育園の送迎など、個人の都合に合わせて勤務時間を調整できるので、好評とのこと。「退社予定時刻の見える化」も、カードを活用することで、仕事の優先順位をつけたり、上司が部下と業務管理のコミュニケーションをしたりするのに、重宝しているという。

一方で片山次長は、「これらはあくまでもツールでしかなく、行員一人ひとりや、管理職の意識が変わらなければ、柔軟で生産性の高い働き方はできません」と語った。「器は整いつつあるので、これからはそこに魂を入れなければならない。ソフト面の意識改革を進めていく必要があると思っています」。改革は、まだまだ始まったばかりという認識だ。

○両立支援から活躍支援へ

ワークライフバランスの必要性が叫ばれて久しいが、同行では仕事と子育ての両立支援に関して、これまでも力を入れてきた。育児休業は2年間まで取得可能で、時短勤務も子どもが小学3年生になるまで継続可。しかしこの点について、ダイバーシティ推進室の上場室長は、「仕事を辞めずに働き続けることは当たり前になりました。現在は早期に時短勤務を解消し、活躍してもらえるような支援に力を入れています」と語った。職場復帰した行員への研修・面談を充実させ、ベビーシッターの費用補助をするなど、"活躍支援"へと軸足を移しているのだ。

最後に片山次長は、「女性行員の意識改革は第2フェーズに進んでいる。より定着させていこうとすると、銀行全体として働き方を変えていかなければならない」と語った。育児支援という観点だけでなく、全ての行員が生産性の高い仕事をし、チャレンジングに働ける体制を整えようとしている三菱東京UFJ銀行。銀行全体の"意識"まで変えていけるのか、今後の成果が注目される。
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