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2016年09月27日

赤ちゃんへのB型肝炎ワクチンは必要? 接種が公費になる今、知っておきたい事

提供元: マイナビニュース

●赤ちゃんが感染するとどんな影響がありうるのか?
10月から、全ての赤ちゃんがB型肝炎ワクチンを公費で受けられるようになります。しかし、B型肝炎という言葉が聞きなれない人も多いでしょう。実際、B型肝炎ウイルスに感染していても、その約9割の方は自覚症状がないとされています。B型肝炎はどんな病気なのか、なぜ赤ちゃんへの定期接種が公費対象となったのか、B型肝炎事情に詳しい弁護士の園田由佳さんに聞いてみました。

○お母さんが感染していると母子感染の可能性が

B型肝炎ワクチンとは、B型肝炎ウイルスによる病気を防ぐためのものです。お母さんがB型肝炎ウイルスに感染していると、赤ちゃんは子宮の中やお産で産道を通過する時、B型肝炎ウイルスに母子感染する危険にさらされます。母体が保有するB型肝炎ウイルスが感染力の強いものであれば実に90%以上の確率で、また、感染力が弱い状態であっても約10%の確率で母子感染が起こると言われています。

新生児や乳幼児期にB型肝炎ウイルスに感染すると、免疫力が弱いために、身体からうまくウイルスを追い出せず、キャリアとなってその後、免疫力が強まった頃にウイルスを追い出そうとして肝炎を発症します。このようにして発症した肝炎は高い確率で慢性化し、さらにそのうちの一部は肝硬変や肝がんに進行することもあります。こうした肝がん等の発症から赤ちゃんを守るためのワクチンがB型肝炎ワクチンです。

○B型肝炎ワクチンは2種類ある

B型肝炎ワクチンは、乳幼児期にきちんと接種すれば、ほぼ全ての人がB型肝炎に対する免疫(HBs抗体)を獲得することができ、将来の肝がん発症等を防ぐことができると言われています。では実際、どのようにB型肝炎ワクチンを接種すればいいかというと、母体がB型肝炎ウイルスキャリアである場合とそうでない場合とで、打つ種類や打つ時期が若干異なります。

そもそもB型肝炎ワクチンは、「高力価HBsヒト免疫グロブリン(HBIG)」と「B型肝炎ワクチン(HBワクチン)」の2種類があります。HBIGはB型肝炎ウイルスに汚染された時など緊急時の感染予防のために使用し、HBワクチンはウイルスにさらされる前の予防として用いられるものです。

母体がB型肝炎ウイルスキャリアである場合は、赤ちゃんが既にB型肝炎ウイルスにさらされている恐れが高いと考えられます。そのため、医療機関の指示する接種スケジュールに従って、生まれてすぐHBIGを接種するとともに、複数回HBワクチンを打つことになります。その他、母体がB型肝炎ウイルスキャリアではない場合は、生後2カ月頃から合計3回HBワクチンを接種することが推奨されています。

○ワクチンの定期接種はWHOの推奨事項

B型肝炎ウイルスは母子感染だけでなく、知らない間に感染してしまうことも多いウイルスです。そのためWHO(世界保健機関)は、1992年より全ての子どもたちに対して生まれたらすぐにこのワクチンを国の定期接種として接種するように推奨しており、多くの国では子どもたちに定期接種を行っています。

しかし、日本ではこれまで、WHOが推奨する全ての子どもに対するワクチンの定期接種をせず、母子感染するリスクの高い赤ちゃんに対してだけ、公費でのB型肝炎ワクチン接種を認めていました。ですが、2016年10月からようやく、全ての赤ちゃんがB型肝炎ワクチンを公費で受けられるようになります。ただし、対象は2016年4月以降に生まれた0歳児のみとされているため、生後2、3、7~8カ月という標準的な接種スケジュールに従って、対象年齢を過ぎないうちにワクチンを接種することが望ましいでしょう。

これまでは赤ちゃんの話を中心にして説明してきましたが、B型肝炎は大人にとっても見過ごせない病気です。定期検査費用や給付金を国が「特別措置法」に従って支給するケースもあります。続いては、どんなケースであれば対象になるのか紹介していきます。

●国が「特別措置法」で給付金を支給するケースとは?
○妊娠がきっかけで感染を知ったという人も

実際、妊娠して産婦人科で血液検査を受けて初めて自身のB型肝炎ウイルス感染を知った、という人は非常に多いです。これは女性に限った話ではありません。妊娠時の検査に付き添った男性が一緒にB型肝炎ウイルスの検査を受けてみたところ、自分がキャリアであることを知った、というようなケースも耳にします。

B型肝炎ウイルスに感染していても、その約9割の方は自覚症状がないとされているため、自発的にB型肝炎ウイルス感染の有無を検査するという発想にはなりにくく、何かのきっかけでたまたま発覚することが多いようです。感染が発覚したら、自覚症状がないからといって放置することなく、医師の指示に従って定期的に検査を受け、ウイルスが活動していないか、発症していないか、きちんと確認することが大切です。

○「特別措置法」で給付金を受け取れるケースも

もっとも、定期検査を受けるとなると、どうしても医療費がかさんでしまいます。そこで、次の点を確認してみましょう。昭和16(1941)年7月2日から昭和63(1988)年1月27日までに出生した人で、満7歳までに集団予防接種を受けたことがあるかという点です。該当すれば、国から定期検査費用や給付金が受け取れる可能性があります。

国は、2012年から「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」という法律によって、一定の要件をみたすB型肝炎ウイルスキャリアの人に対し、給付金を支給することとしました。この法律は、国が国民に集団予防接種等を強制していながら、昭和23(1948)年7月1日から昭和63(1988)年1月27日まで、集団予防接種等の際に用いられる注射器が使い回されるのを放置したため、そのことが原因でB型肝炎ウイルスに持続感染した人に対して国が責任を認め、その症状等に応じて給付金を支払うと定めたものです。

今症状が出ていない人でも、一度給付金対象であると認定を受ければ、将来もし慢性肝炎や肝がんを発症してしまった場合でも、追加で給付金を受け取ることができます。万が一に備えて、症状が出ていない人も積極的にこの制度を利用するようにしましょう。給付金を請求するためには、現時点で2022年1月12日までに訴訟の提起等が必要になります。給付金対象かもしれないと思った人は、この制度に詳しい弁護士へ相談を検討してみてください。

○感染は血液検査ですぐに確認できる

肝臓は「沈黙の臓器」とも称されており、なかなか自覚症状は現れません。自分は感染していないと思っていても、実は静かにB型肝炎ウイルスが肝臓をむしばんでいて、病院に行った時には、もう既に深刻な状態にまで病状が進行してしまっていたというようなことも残念ながら少なくありません。

B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、血液検査で簡単に調べることができます。そして、早期に肝炎ウイルス感染を発見できれば、必要な定期検査や適切な治療を実施して、肝硬変や肝がんといった重病の発症を予防することも十分に可能です。これまで、ウイルス検査をしたことがない人は、これを機に検査を検討してみてください。

※写真はイメージで本文とは関係ありません
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