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2016年07月27日

【円満離婚のプロに聞く】離婚を考えたときに優先すべきことは? 子どもへの対応どうする?

提供元: BRAVA(ブラーバ)

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BRAVAでは、今までシングルマザーの記事をいくつか掲載してきました。シングルマザーの体験談に基づくものが多い中、今回は「離婚」についてのお話し。お話をうかがったのは、「円満離婚の仕掛人」という異名を持つ行政書士の高橋健一さん。離婚するにあたってなにを優先すべきか、離婚が子どもに与える影響についてなどさまざまな話題に触れながら、丁寧に教えてくださいました。

離婚に行きつく、それは小さいことの積み重ね


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夫婦が100組いたら、結婚する理由はもちろん、離婚する理由も100通り。DVや虐待は別として、高橋先生のところに相談に訪れる依頼者の離婚理由も本当にさまざまだそう。

 

結局、離婚って小さいことの積み重ねですよね。離婚理由として浮気とか性格不一致とかが挙げられますが、実は本当に小さなことの積み重ねが大部分なんです。

たとえば、妻が緊急入院したとき、夫が病気を治せるわけじゃない。割と合理的な考えな夫ですと、「俺が行ったってなにもできないし」と出張先から駆けつけてくれるわけでない。でも、妻としては来てくれるだけでいいのにと思って、それをずっと引きずっている・・・。そんなささいなことが積み重なっていって最終的には離婚に至るというかたが多いように思います。

昔は離婚を迷っている方とか悩んでいる方の話を聞いていたのですが、今は「公正証書」(養育費・財産分与・住宅ローンの支払いを相手が守らないといったトラブルを防ぐ対策として有効な証書)の作成メインで、夫婦で離婚に合意された方に絞ってお話を聞いています。まだ夫婦でもめている時点では、行政書士は話を聞けないんです。それは法的な紛争になるので、家裁や弁護士さんのところへ行ってもらいます。今はSNSやネットなどあらゆるところで相談できますが、一昔前はそんなものはないので、1日40件以上の相談を受けた時期もありましたね。離婚相談というか、人生相談そのものでしたね。

離婚するにあたっての「メリット」、そんなものはない!?


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離婚を考える、決める、離婚に至る、そのプロセスはママ自身にも子どもにも大きな負担がかかります。やはり「メリット」なんかない、というのが高橋先生の正直な見解だそう。

 

離婚のメリット、デメリットで言えば、デメリットはそうですね…離婚する過程において精神的・金銭的・時間的なダメージが大きすぎる点です。円満であれば、本来払う必要もないお金が発生するのですから。とすると離婚当事者(両親、子ども)にとってメリットは実は何もないのではないかと思っています

たとえば、離婚協議に関する連絡は、皆さんたいていメールやLINEでするのですが、ほぼ就業中にやり取りしている(笑)それだけ周りが見えなくなっているということなのでしょうけど、そのとき仕事はちゃんとやっているんでしょうか?と。時間もかかるし、気の重いやり取りですよね。

そしてさらに調停だったら、会社を休んで裁判所に行かなくてはならない。長い時だと半日以上拘束されるわけです。遊びに行くわけではないので、精神的にも重い。裁判にもなると、1年、2年かかることもあり、まさに金銭的・精神的・時間的なダメージはすごい。いわゆる「裁判うつ」になるかたも多いそうです。

もちろんDVや虐待は話は別です。それは心身ともに危険が及びますから、家庭裁判所に行くか、警察に相談するか、弁護士に代理人になってもらわないと危険すぎます。それはもうメリット・デメリットとか言っている問題ではなくとにかく早く逃げて!というケースですね。

離婚が子どもに与える影響とは?


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 本来なら、離婚などせず、夫婦そろって子どもの成長を見守ることが一番幸せのように思うのですが、もちろんケースバイケースで、そうとは言い切れないのが夫婦の難しいところですね…。では離婚が子どもに与える影響は?どんなことなのでしょうか。

 

「離婚しないほうがいい」なんてことはもちろん言いきれません。でも、離婚が子どもに悪影響を与えるのは事実です。何が一番影響を与えるかというと、それは離婚に至るまで夫婦で揉めているような険悪な状態。それを「高葛藤」と言いますが、この状態が子どもにとってもっともよくないという研究結果も出ています。離婚していなくても、この「高葛藤」状態の夫婦ってけっこういらっしゃると思うんです。いわゆる「仮面夫婦」みたいな、まったく夫婦の会話がない状態だとか、メールでしか連絡し合わないとか。これはディスコミュニケーションで、かなり「高葛藤」ですよね。ですから、離婚しないほうがいいのかというと、一概にそうではない。

さらに、大人は「まだ子どもは小さいからよく分かってない」と考えがちですが、「子どもを侮ってはいけない、子どもは大人よりよくわかっていますよ」と依頼者のかたにもお伝えするようにしています。でも、子どものささいな一言をスルーせずに気づくのって、なかなか難しいんですよね。ましてや、離婚の当事者になって頭がいっぱいだとなおさらだと思います。

子どもの前で決して言ってはいけない言葉


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 実際に離婚を進めているママはもう自分のことでいっぱいいっぱいで周りが見えなくなると高橋先生は言います。でも、そんな状況の中で「何を優先すべきか」それはもちろん子どものこと。

 

大切なのは、「今自分がなにを話しているか、どういうことをしているか」ということ、いわば、日常の一挙手一投足を、子どもに堂々と見せられるかが一番のポイントだと思います。たぶんほとんどの人ができていないです(笑)。

夫婦で言い争っている姿を子どもに見せちゃいけない。「子どものためだから」と皆さんよく言いますが、実は子どものためになんて全然なっていないことのほうが多いです。やっぱりうわべだけなんですよね…残念ながら、依頼を受けてやり取りをしていると結局「自分のため」という方がほとんどです。

私が実際、離婚を考えている両親の子どもから発された言葉で涙が出た経験があります。それは「僕なんていないほうがいいんだよね? いなかったら楽でしょ…」という言葉。これは、子どもが「自分が両親の足かせになっている」と自分を責め悩んでいるからこそ出た言葉なんです。言い換えれば、「自分がいたから両親が争っているんだ」と子どもは思ってしまっているということ。こんなふうに子どもが思っていたら辛すぎますよね。

それに、テレビのインタビューで「離婚を考えていますか?」という問いに、「今は子どもがいるから我慢しています」って答える人いますよね。これ、実は絶対言ってはいけない言葉なんです。裏を返せば、じゃあ子どもがいなかったら離婚するの?子どもはただのお荷物?ということ。「子どものために我慢する」大概の大人が使うこの言葉こそが子どもを追い詰める、一番言ってはいけない“キラーワード“です。

1人で煮詰まらないで、第三者に頼ろう!


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子どものためと思いつつ、どうしても自己都合を優先して1人煮詰まってしまう依頼者が多いということですが、それは当たり前のことだそうです。でも、そんなときはどうすればいいのでしょうか?

 

とにかく、子どものために何が一番ベターか(ベストはなかなかないので)ということを常に自問自答しながら離婚を進めていく、ということが大切です。ただそのためには我々のような、夫婦とはまったく関係ない第三者、客観的にかつ夫婦とは違う、いろいろな角度から物事を見られる人の意見を聞きながら離婚の話を進めてほしいと思います。

特に母親で、正社員で働いていない人というのは、「離婚は生存をかけた闘い」と言っても過言ではないんです。いわば「お金をかけた闘い」。だからこそ自分だけでやろうとしないで、「第三、第四の目・意見」をうまく使ってほしいと思います。

その場合、専門知識を持った人に頼るのはもちろんですが、友人、知人はできるだけ避けたほうがベターです。個人的感情が入って、当事者と一緒になって感情的になるか、耳障りのいいことしか言わない可能性もあるからです。ちゃんとお金を払って専門家にお願いするという形じゃないと、第三者的な視点でものを言うのはなかなか難しいですね。

また、離婚が決まって公正証書を作るときに、どうしても納得されない方もいるんですよ。現実的な落とし所があるんですけど、理想で突き進んじゃう人。こういう人のためにも、第三者の冷静な意見は大切です。たとえば、養育費とは別に、子どもが大学に進学するときの進学費を夫にも負担してくれるように取り決めたい。妻は躍起になっていますが、子どもがまだ幼児の場合など、夫としてはそんな先のことを決める現実味がないわけです。でも、公正証書を作成すれば、元夫が払わなかった場合、財産や給料差し押さえなどの強制執行(支払わない元夫に対して、公正証書とほかにいくつか条件がそろった場合、元夫の給料を何割か差し押さえて元妻に払わせること) ができる。確かに、妻としては、それがあれば安心ですが、それは理想であって、現実的な落とし所ではないということです。

やはり依頼者の皆さん、「安心」とか「保障」という言葉に敏感なので仕方ないのですが・・・。

離婚後の家庭で子どもを犠牲にしないためには


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 離婚にいたるまで子どもを第一に考え動く必要があるのがよくわかりましたが、離婚後の家庭で子どもにはどのようにしてあげることがよいことなのでしょうか。

 

離婚後の生活のためにも、もちろんお金は大切ですが、お金にこだわりすぎたらうまくいくはずがありません。むしろ、夫婦で決裂するリスクが高くなり、子どもへの悪影響がおよびます。子どもは離婚に関して何の責任もない、むしろ被害者です。離婚することで親が子どもにどう責任を取っていくか、どう関わっていくのかというところをきちんと考えていく必要があります!

どんなに円満に離婚して親としては、離婚後ハッピーでも、離婚に至るまでのプロセスで、子どもの心にはいろいろなことが起きていると思うんです。私は医者じゃないので専門的なことにはふれませんが、離婚したということが長い時間子どもの心に影響が残るのは間違いないと思います。それをケアしていくためにも、一番重要なのは、「両親双方との交流が日常生活の中に当たり前のように存在すること」、この「双方」=「お父さんと子ども、お母さんと子ども」が重要なんです。離婚したことによって母親が掛け持ちで働くことになって子どもと接する時間がなくなってしまう、これはお母さんとの交流断絶です。とはいえ、働くって大変なことであり、お金をもらって働く以上会社からは高いレベルを求められる。そうするとお母さんもますます余裕がなくなってくる。子どもの気持ちのささいなことまで気づかないのはやむを得ないし、責められないのですが・・・。元夫と離れて暮らすことで元夫婦の関係性はよくなったかもしれないけど、そのしわ寄せが子どもに行く、これは非常によくないことです。

そして、「お金の問題」も子どもには関係ない話。その問題を子どもに気を使わせるのも非常によくない。ましてや、元夫とのやりとりを子どもに代弁させてはいけない。たとえば「学費をこれくらいかかるのでお金をお願いします」と子どもから元夫へ言わせる、これは絶対ダメです!あくまで親同士の問題だし、お金のことは扶養義務がある親の仕事なんです。また、面会に関しても、「子どもの意思を最優先に」と言いながら、子どもから元夫に伝えさせるという方もいますが、これも親同士が決めて伝え合うこと。

今離婚を考えている方々へ


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最後に今離婚を考えているかたへ先生からメッセージをいただきました。

 

当事者の置かれた立場によって離婚はメリットにもデメリットにもなります。何を優先すべきか、子どもに与える影響はなにかをよく考えてください。

離婚で親が揉めているとき、子どもは自分の本音をなかなか言えないもの。子どもって母親の意にそぐわないことは言えないのです。子どもにとって、母親は唯一無二の存在です。母親に嫌われたら生きていけないから。一種の生存本能と考えるのが自然です。

世に出ている本は離婚を横の関係つまり男女(夫婦)の問題ばかり取り上げていますが、私は、離婚は「親子の問題」として捉えています。離婚は子どもにとって、メリットなんてなにもないです(DVや虐待を除いては)。傷ついてしまった子どもにどう寄り添っていくか、どう愛情を注いでいくか、どう責任を果たしていくか。そこを最優先に考えてほしいと思います。

 

「離婚を考えている、あるいは決めている方たちの置かれた環境は千差万別ですが、1人でも多くの子どもたちが離婚による悪影響を回避できる一助となれば、と日々願っています。」と締めくくってくださった高橋先生。ママは仕事・家事・育児で大変な毎日、パパも残業残業で忙しい毎日、つい自分のことでいっぱいいっぱいになってしまうかもしません。でも、なにが一番大切かちゃんと考え、しっかり話し合うことだけは最優先にしたいですね。何よりも子どもを犠牲にしないために。

【行政書士 高橋健一さん】

大学時代に離婚という親子断裂の実態研究のため、家族法を専攻。

親族から離婚相談を受けるまでとなる。親としての自覚を促し、子どもの犠牲を軽減する手法を開発、「円満離婚の仕掛人(R)」の異名をとる。過去15年間での相談実績は1万を超え、国内のみならず、海外からも依頼者が訪れるほど定評がある。2010年6月に事務所を岐阜から東京に移転。2014年12月、初の著書『子どもの幸せを守る 円満離婚のカンドコロ』(飛鳥新社)を出版。
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子どもの幸せを守る 円満離婚のカンドコロ

高橋健一 ふじたきりん著

飛鳥新社

2014年12月刊

ISBN9784864103442

定価:1200+税

 
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