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2016年08月23日

反抗期がないとヤバい!? 親や祖父母を好きすぎる子どもの危険性と対処法

提供元: パピマミ

反抗期がないとヤバい!? 親や祖父母を好きすぎる子どもの危険性と対処法 こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。

お子さんが思春期に反抗的になるのはある意味当然のことですが、ごく稀に“反抗期のない子 ”がいます。

親や祖父母のことが大好きで、「パパやママ、おじいちゃん、おばあちゃんのことをとにかく悲しませたくない」という子どもたちです。

脳科学を専門とする医学博士でタレントの中野信子さんは、そういった“反抗期のない子”について、『脳の前頭前野の背外側部(はいがいそくぶ)の機能が弱いため、ものごとを自分の脳で合理的に考えることができない という特徴があり、親や祖父母の価値観に洗脳されやすい 』と、おりにふれて指摘されてきました。

今回はそのような“反抗期のない子どもたち”について一緒に考えてみましょう。

●筆者の旧友N君は、お父様のことが大好きで議員を世襲し、挫折して自ら命を絶ちました

筆者の中学・高校時代の友人で、N君(故人)という人がいました。

故人の名誉のために実名は伏せさせていただきますが、N君は正真正銘のセレブリティーの家に生まれ育った御曹司で、お父様は巨大与党所属の元国務大臣でした。

愛されて育ったN君は本当に“いいやつ”で、愛すべき好青年でした。N君がどれほどいいやつだったかを示すエピソードが一つあります。

高校のとき、勉強が苦手な友人たちは試験前になると筆者の“鈴木ノート”を借りて一夜漬けの勉強をし、及第点ぎりぎりで進級・進学したのですが、みんな友達のよしみで“鈴木ノート”を借りられて当然といった感覚でした。

それに対しN君だけは試験が近づくと、「鈴木、申し訳ない。俺にもノートを貸してもらえないかなあ」と、膝をついて頼みに来たのです。

あのN君であれば思春期に親に反抗したとは到底考えられません。

案の定N君は30代のはじめに衆議院議員だったお父様が亡くなられた際、自分の意思でやっていたテレビ局のキャスターの仕事を辞め、巨大与党から補欠選挙に擁立されて衆議院議員に当選したのでした。

高校生のころに垣間聞いた話によると、N君は「男たるもの与党の政治家となって国を動かせ」というお父様の話を素直に「はい」と聞き、年齢相応に反抗するどころかむしろそんなお父様に憧れていた ようです。

ところがそんなN君の素直さは、お父様のみならずお父様の“取り巻き”だった人たちへの素直さにも直結してしまいました。

取り巻きの人たちからもすっかり洗脳されてしまったN君は、その後公職選挙法違反や受託収賄容疑などで3度にわたって逮捕され、失意のまま41歳で自ら命を絶ったのでした。

●親を好きであることが生きるうえで合理的なケースもあるが、逆もある

N君のように、立派なお父様のことが大好きで、そのお父様から話を聞き、おじい様のことを心から尊敬する。そのこと自体はけっして悪いことではなく、素敵なことです。

そして、中には大好きな親と同じ職業に就いて成功する人もあり、親を好きすぎることが合理的な生き方でもあるケースは確かにあります。

ただ、N君のようにややもすると親の価値観に影響されすぎているうえに“思いやり”もありすぎる人の場合、他人とのタフな駆け引きを必要とする政治家のような仕事が果たして適職であったかというと疑問は残ります。

●脳科学に造詣の深い精神科医は、思春期に複数の価値観にふれることをすすめている

都内でメンタルクリニックを開業する精神科医のA先生は脳科学にも造詣の深い医学博士ですが、N君のようなケースについて次にようにおっしゃっています。

『Nさんに反抗期があったかなかったか、直接面識のない自分には分かりようもありませんが、お話だけからも明らかなことは、Nさんが非常に“思いやり”の深い人であったということです。

これは、前頭前野の中でも腹内側眼窩前頭皮質(ふくないそくがんかぜんとうひしつ)と呼ばれる部分が一般的なレベルよりも発達しているためで、Nさんはこのケースに該当すると思われます。

思いやりが深いことは素晴らしいことなのですが、眼窩前頭皮質が発達していて背外側部の機能が弱い場合、「思いやりが深くて打算的にはなれない 」という、政治家には最も不向きな人格に育っていたおそれは否定できません』(50代女性/都内メンタルクリニック院長、精神科医)

自分の脳は人間性に強く関与する前頭前野のどの部分が発達していてどの部分に弱さがあるのか。残念ながらそれを自分で計り知ることは難しいと言えます。

しかし、偏りを最小限にとどめることはある程度は努力で可能になるのではないでしょうか。A先生は言います。

『思春期には、できるだけ複数の価値観にふれる ことをおすすめします。自分の親、自分のおじいさん、自分の家族の価値観には親近感はあるでしょうが、この世の中は全然違う感性を持った人間が「共に暮らしている」のだということを意識して自覚した方がいいでしょう。

特にますますグローバル化が進むこれからの時代は、その方がストレスに対してタフかつ安全に生きることができるのではないかと思います』(50代女性/前出・精神科医)

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最後に、今はなき愛すべき友N君が、これからも人間どうしの足の引っ張り合いのない天国で笑顔で過ごされますよう祈念しながら、締めくくらせていただきたいと思います。合掌。

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
 
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