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2016年07月14日

酸化によって受けるダメージとは? 妊娠力を高める2つの“抗酸化”習慣

提供元: マイナビウーマン

酸化によって受けるダメージとは? 妊娠力を高める2つの“抗酸化”習慣

こんにちは、細川モモです。これまでの連載では妊娠力を高めるためにどのような食生活を意識することが望ましいかを説明してきましたが、今回は、具体的な対策を講じることが妊娠力を守ることにつながる、ということについてお伝えしたいと思います。今回のキーワードは「抗酸化」。不妊治療でも重要視されています。原因と対策を知って妊娠力低下を防ぎましょう!

■酸化によって受けるダメージとは?

“活性酸素が人の身体を錆びさせて老化を促進する”という話は聞いたことがあるかと思います。一方で、活性酸素は卵巣機能を正常に保つために必要な物質でもあり、完全に悪者というわけではありません。問題なのは、強いストレスや大気汚染、喫煙や睡眠不足などで活性酸素を消去する“抗酸化酵素”と呼ばれる物質とのバランスが崩れてしまい、活性酸素が過剰になると妊娠機能にも異常が生じてしまうということです。

たとえば、いざ「子どもがほしい!」と思ったタイミング(排卵期)に強いストレスが生じたり慢性的な睡眠不足が生じると卵の質が低下し、受精障害を引き起こします。また、受精卵を迎える準備のために基礎体温が高くなる黄体期に活性酸素が過剰になると、黄体ホルモンの分泌が低下したり黄体期が短縮してしまう黄体機能不全になり、不妊症の原因になります(※1)(※2)。

酸化が妊娠力を低下させてしまうことは男女ともに共通であり、ゆえに不妊治療では抗酸化剤やビタミン剤の処方が行われます。活性酸素の増加にともない、ダメージを受けるのは精子もです。抗酸化酵素を有さない精子は活性酸素にとても弱く、ストレスや飲酒、喫煙などにより運動量が低下したり数が減少したりしてしまいます。人の身体には抗酸化酵素(SOD : スーパーオキサイドディスムスターゼ)と呼ばれる、活性酸素と戦う物質が存在していますので、負けっぱなしということはありませんが、残念ながら抗酸化酵素は加齢とともに減少してしまいます。この辺りが加齢とともに妊娠力が低下をしてしまう要因といえます。

(細川モモ)

■安眠のホルモンが妊娠力を守る!?

現代は第一子の出産年齢が30代を超えていますし、働く女性はストレスがあって当たり前。では、一体どうやって身体の酸化を最小限にすればよいのでしょうか。体内の抗酸化酵素が減ってしまうことをカバーするために食材に含まれる抗酸化物質を取り入れることが一案です。たとえば、トマトのリコペンや緑茶のカテキン、鮭のアスタキサンチンなどが抗酸化物質の代表格であり、食材の色素や香りに多く含まれています。ですので、“1食につき5色の食卓を心がける”ことが対策になります。

さらにマイナビウーマン世代に注目してほしいのは、実際に不妊治療の場でも注目を集めている“メラトニン”です。メラトニンは別名「安眠のホルモン」と呼ばれており、時差ぼけの解消や不眠症の治療に欠かせないホルモンの一種です。実は、卵胞液中には血中濃度の2倍ものメラトニンが存在していて、卵胞の発育に比例して増加することがわかっています(※3)。その理由が、卵の酸化対策であり、メラトニンは強力な抗酸化力で卵の質を守っていることが解明されてきました。実際にメラトニンを投与すると卵胞内の酸化ストレスが抑制され、卵質が改善し、妊娠力の向上に繋がったという研究報告があります(※4)。

メラトニンをしっかり分泌しようと思ったら肉・魚・卵・大豆・乳製品(ヨーグルトやチーズ)といった良質たんぱく質の摂取が欠かせません。なぜならメラトニンの材料となるトリプトファンは人の身体では作り出せないからです。ところが、働く女性のたんぱく質不足率は約90%と高く、多くの女性が足りていません(※4)。“1食あたり片手ひと盛りのたんぱく質摂取”は妊娠を意識している女性には心がけていただきたいことです。

ただし、メラトニンを十分に得るためには、食べているだけでは不十分なのです。なぜなら、メラトニンにはほかにも体内時計を調整するという役割があり、夜に向けて暗くなると分泌量が増えて安眠を促します。それに対し、朝起きて光を取り込むと分泌されるのがセロトニンというハッピーホルモンであり、朝を司るセロトニンと夜を司るメラトニンの2つのホルモンで体内時計を回しています。実は、メラトニンはセロトニンから合成されるため、朝起きて日の光を浴び、十分にセロトニンを分泌することがセロトニンの充足に繋がります。とどのつまり、良質たんぱく質を食べる+朝日をしっかり浴びて夜は間接照明にしてメラトニン分泌を促す、この2つの生活習慣が妊娠力を高めることに繋がります。

■“子宝のビタミン”で妊娠力をキープ!

受精卵を迎える準備をする黄体期に異常が生じることで不妊症リスクが高まる“黄体機能不全”には、活性酸素による酸化異常が関わっていることを冒頭で説明しましたが、主な要因は血流が低下してしまうことと考えられています。そこで、注目を集めているのが不妊症だったラットが妊娠に成功したことから発見されたビタミン、ビタミンEです。ビタミンEの正式名称であるトコフェノールは“子宝のビタミン”という由来があり、妊娠に欠かせないビタミンといえます。

その主な理由がビタミンEによる血流改善効果です。実際にビタミンEを黄体機能不全の患者に排卵後に投与した結果(600mg/day)14例中13例で黄体血流が改善されたことが報告されています(※5)。

ビタミンEはイクラやたらこ、明太子、鮎などに豊富に含まれていて、働く女性が取り入れやすい食材ではアーモンドに豊富に含まれています。

仕事のストレスによって妊娠力を低下させないためには、朝日をたっぷり浴びて夜は間接照明にし、食生活ではカラフルな食卓+片手ひと盛りのたんぱく質+おやつにアーモンドを意識しましょう。

◆今回のモモポイント!

加齢とストレスによる酸化ダメージは3食の食生活でカバーしましょう!

(※1)Tamura H, Takasaki A, Miwa I, Taniguchi K, Maekawa R, Asada H, Taketani T, Matsuoka A, Yamagata Y, Shimamura K, Morioka H, Ishikawa H, Russel JR, Sugino N. Oxidative stress impairs oocyte quality and melatonin protects oocytes from free radical damage and improves fertilization rate. J Pineal Res 2008 ; 44 : 280―287
(※2)Tamura H, Takasaki A, Taniguchi K, Matsuoka A, Shimamura K, Sugino N. Changes in blood flow impedance of the human corpus luteum throughout the luteal phase and during early pregnancy. Fertil Steril 2008(in press)
(※3)Nakamura Y, Tamura H, Takayama H, Kato H. Increased endogenous level of melatonin in preovulatory human follicles does not directly influence progesterone production. Fertil Steril 2003 ; 80 : 1012―1016 21.Tamura H, Nakamura Y, Takiguchi S, Kashida S, Yamagata
(※4)日産婦誌60巻 9 号「生殖機能調節における活性酸素の役割」山口大学 杉野法広
(※5)「働き女子1,000名白書」/出典:「Will consious Marunouchi「まるのうち保健室」調査」Copyright(c)2015三菱地所株式会社・一般社団法人ラブテリAll Rights Reserved.

(細川モモ)

※次回の更新は、7月28日(木)です。お楽しみに!

【細川モモの「産めるカラダの栄養学講座」バックナンバー】

●第1回:“妊娠力”を守るには? 現代女性が見直すべき「食生活」のキホン
●第2回:生命の万能素材! 「産めるカラダ」にたんぱく質が欠かせない理由
●第3回:日本女性のほとんどが“隠れ貧血”!?  妊娠前に改善しておくべき理由とは?
●第4回:日光浴が妊娠力を守る!? “サンシャインビタミン”と妊娠力の知られざる関係
●第5回:妊娠力アップには欠かせない! 「食べたい炭水化物」と「避けたい炭水化物」のちがいって?
●第6回:妊娠前から摂りたい! 知っておきたい「葉酸」のはなし
●第7回:別名“セックス・ミネラル”! 亜鉛と妊娠力の深い関係とは?
●第8回:卵子の質を高めてくれる!? 「良い脂質」を積極的に摂るべき理由

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