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2016年09月24日

上司との関係、育休中の生活費… パパの育休を阻む、おもわぬ壁

提供元: ウーマンエキサイト

女性の活躍推進にひもづき男性の子育て参加の重要性がさけばれていても、パパの育休取得率は平成26年度で約2%(※)と、まだまだ低いのが現状です。制度も整ってきているはずなのに、なぜこれほどまでに男性の育休取得率が低いのでしょう。

赤ちゃんを抱くパパ

(c) UBER IMAGES - Fotolia.com



その理由を探るべく、お勤め先で男性として初の育休取得を経験した佐藤さん(仮/42歳)に、育休取得までの道のりから知っておきたい育休中のお金事情、そしてこれから育休をとりたいパパに向けてのアドバイスまでお聞きしました。

※「平成26年度雇用均等基本調査」の結果概要(27年8月厚生労働省発表)より



「戻ってきたとき、いまのポジションがあるとは限らない」といわれた育休取得
結婚後、子どもが生まれても単身赴任や出張で家を空けることが多く、家族との時間がじゅうぶんにとれない生活を送っていた佐藤さん。そんななか、産後も仕事を続けているおくさまがふたり目を妊娠します。

「下の子が生まれるのをきっかけに、これまでできなかった妻や上の子のフォローをしたい」と考えた佐藤さんは、育休取得を決意します。

しかし、会社には男性の育休制度が整っておらず、会社に制度の整備を打診するところからのスタートだったといいます。

このとき、佐藤さんはあえて直属の上司ではなく、より決裁権が高く、理解してもらえそうなもっと上の管理職に直談判しました。

男性の育休制度を整える会社としてのメリットや、育休前後の具体的な業務の割り振り、トラブル対応などを用意したうえで説得にあたった結果、制度が整い、社内初の育休取得が認められます。

育休期間は、3ヶ月間。長く仕事から離れることへの不安や、周囲の反応が気にならなかったのかお聞きすると、

「前例がないことなので、不安がなかったといえばうそになりますし、直属の上司や同僚が快く思っていないことも、伝わってきました。違う部署の人からは、育休明けに同じポジションがあるとは思えない、ともいわれましたし。

ただ、何でも初めてのことにはハードルがあるもので、周囲からの風当たりが強くなるのも仕方がないと思うのです。

だからこそ、育休前はとりわけ仕事に力を入れ、休んでいる間もスムーズに仕事が回るよう引き継ぎ準備をし、育休明けにはさらによい結果を出すなど、行動で示すしかないと思っていました」と佐藤さん。

仕事に取り組む姿勢や具体的な行動で、周囲に認めてもらう。この心構えが、育休を取得したい男性にとって大切なのかもしれません。

3ヶ月間収入ゼロに! 育休にまつわる意外な盲点
会社でのハードルを乗り越え、おくさまの出産とともに育休に入った佐藤さん。ここでもうひとつの壁に直面します。

それが、育休中の収入でした。

雇用保険から支給される育休の手当(育児休業給付金)の手続きは、会社がおこなうのが一般的です。佐藤さんの場合、実際の育休期間が確定、つまり「ここまで休みました」という事実ができてから会社が申請する流れだったため、育休期間中に給付されることはなく、おくさまの育休も重なった3ヶ月間は収入がゼロになったのです。

佐藤さんは「育休中の生活費を計画的に備えておかないと、キツイかもしれませんね。また、会社によって手続きの方法が違うと思いますので、事前にしっかり把握しておくことも大切だと思います」とおっしゃいます。

また、育児休業給付金は、休暇に入る前の6ヶ月の支給額をもとに算出されます(2016年9月現在)。この間の給与が多いほど支給額が増えるケースもあれば、もともと給与が高い人は上限額までしか支給されない場合もあります。

もうひとつお金に絡んだ話をすると、会社によっては育休期間が、ボーナスや退職金に影響することも考えられます。育休取得を考えている男性は、これらも頭の片隅においておけるとよさそうです。



さまざまな壁はあるけれど…。パパの育休、実際どうだった?
佐藤さんへの取材で、手放しでウェルカムとはいかない会社の雰囲気、収入減や退職金への影響といった現実的なお金の話など、男性の育休取得がいまひとつ浸透しない要因がなんとなく見えた気がします。

それでも、実際に育休を経験したからこそ得たこと、気づいたことがたくさんあるんです、と佐藤さん。

「それまでは単身赴任をしていたこともあり、家族と向き合う時間が本当に少なかったんです。それが3ヶ月間の育休で、妻が日頃してくれていること、そして日に日に成長する子どもの姿を間近でみることで、あらためて家族について考えることができました。

自分がどうあったら幸せか、と問うたとき、やはり“中心に家族ありき”の幸せだということが、わかりました。あとは、妻との老後を具体的にイメージすることができたのも大きいです。家族のありかた、夫婦のありかたをじっくり考える貴重な期間でした。

男性の育休3ヶ月というと長いと思われますが、人生というロングスパンでみると、たった3ヶ月。そこで濃密な時間を持てたことは、私にとって財産です」

最後に、これから育休を取得したいと考えるパパへのアドバイスもいただきました。

「どんなに制度が整い会社の後押しがあったとしても、誰にも迷惑をかけず、やっかまれることなく育休をとるのは、不可能だと思うのです。

だから、何を言われても自分が決めたことだから、と、ある意味開き直れる胆力の強さと、当たり前かもしれませんが育休後の働きかたを含めて、会社に欠かせない存在だと思ってもらえるよう日頃から仕事に取り組み、土壌づくりをしておくことが大切だと思います」

平成26年度から、育児休業給付金の支給率が50%から67%に引き上げられるなど、パパの育休取得のハードルは下がりつつあります。

必要なのは、会社や周囲に理解してもらうための日頃の行動と、パパ自身が一歩踏み出す勇気なのかもしれません。
 
 
(コミヤ カホル)
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