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2016年08月01日

仕事中心の生活から一転、産後ママの支援へ出産・育児を経て広がったワールドで副社長になった1児の母

提供元: laxic

仕事中心の生活から一転、産後ママの支援へ<br />出産・育児を経て広がったワールドで副社長になった1児の母

倖田來未さんのマネージャーなどを経験
音楽の裏方に憧れて入ったエイベックス

ラシク編集部・齋藤(以下、齋藤):独身のころとお子さんがいる今では、働き方もだいぶ変わられたと思います。その変遷などを中心にお話をお聞かせください。
まず、就職されてから現在に至るまでのお仕事の変遷をお聞かせいただけますか。

福添さん(以下敬称略、福添):新卒でエイベックスに入社し、編成管理や著作権関連、宣伝、制作業務などさまざまな経験を重ねました。EXILEや倖田來未が所属する弊社のリズムゾーンというレーベルの宣伝をした後、制作業務を担当しました。ちょうど倖田來未が忙しくなっていった時期ですね。制作を担当した後、私がマネージャーをすることになりました。5~6年担当し、再び色々なアーティストの制作を担当した後、妊娠・出産。1年の育休を経て宣伝業務で復職しましたが、この時既に、新会社である「エイベックス・ニコ」設立の動きに関わっていました。設立は2015年6月です。

齋藤:もともと宣伝などのお仕事に興味があって、この業界への就職を目指したのですか?

福添:そうですね、新卒で就職したのは2000年。私はヒップホップが好きで、自分もダンスをやっていたこともあり、裏方の仕事をしてみたいと思ったんです。当時、RHYMESTER(ライムスター)というヒップホップグループのA&R(アーティストの発掘・契約から育成、制作、宣伝までトータルに担当するプロデューサー)が女性だったことに大きな刺激を受けました。ヒップホップは男性社会的イメージが強いけれど、そういう道もあるんだと。そしてレコード会社を何社か受けてエイベックスに決まりました。

齋藤:独身時代は具体的にはどのようなタイムスケジュールで働かれていましたか?

福添:大体現場は、アーティストが稼働し始める午前11時くらいからのことが多いですね。早朝稼働の場合もありますが、だいたい10時に起床して11時に出社し、深夜まで働いて。どんなに遅くなっても朝4時には寝たい。そうすれば6時間寝られますので。仕事以外はお風呂・食事・睡眠のみ。睡眠を6時間確保する代わりに、プライベートを全部削っていました。土日もない業界なので、趣味の時間もなかったですね。

齋藤:そんな過酷な働き方を、「なんでこんなに大変なんだろう」と疑問に思ったことはありますか?友達と自分の働き方の違いに何か感じた経験などは?

福添:1回だけありましたね。夜中の2時に、当時の自社ビルの自分が働く上のフロアの大きな会議室で、ワールドカップのライヴビューイングをしている人たちがとにかく盛り上がってて。その時に、「なんで私はまだ仕事してるんだろう。」って (笑)。それぐらいですね。
友達としゃべる時間もあまりなかったんです。当時の2005年はSNSもそんなに普及していなかったですし。

かつては専業主婦に憧れていた
実際には自分と違う働き方を理解できていなかった独身の頃

齋藤:そのような働き方をされていた頃は、結婚や出産をどのようにとらえていらっしゃいましたか?

福添:こんな働き方をしていましたが、夢は「専業主婦になること」だったんです。

齋藤:そうなんですか!?今までのお話を伺っていても、かなり意外ですね。

福添:高校のころからずっとそう思っていました。母は専業主婦で私は3人目の子。なので何となく自分も3人産もうと。

齋藤:いつかは出産をするだろうと思う中、この働き方では無理なのではないかと思うことはありませんでしたか?

福添:あまり疑問はなかったですね。夜中まで働きはしますが、自分の裁量で動けるという側面もあるのです。ただ、常に動いている現場なので、「来週の予定」などが入れづらいというのはあるのですが。

自分が妊娠・出産をする前は、自分と違う働き方をしている人を、なかなか理解できていませんでした。子どもがいる先輩で現場の仕事をしている方がいたんですが、夕方17時から20時の間は電話に出なくて連絡が取れないんです。「電話ぐらいとれないの?」って思い、先輩に向かって「何で電話に出ないんですか?」と聞いたら先輩は、「ごめん、ちょっとバタバタしていて」という感じで答えていましたが、ああいう質問をしてしまったことが、かつての私の失敗と言えば失敗かもしれません。子どもを産んで初めて、他の人より早く帰らなければならないことも、夕方から20時ぐらいまでの時間帯の時間の忙しさも分かりました。

齋藤:自分にも他人にも厳しく接していらしたんですね。

福添:そうですね。やはり「ファンのために」という思いが強くて。HPの更新が遅れたらファンに迷惑がかかるし、商品に妥協をしたらファンが悲しむと、どこかで「ファンのために」という大義名分を振りかざし過ぎてしまっていたのかもしれません。
でもそれだけ必死でもありました。マネジメント時代はアーティストと歩いていて何かが倒れてきたり暴漢が飛び出して来たら、盾にならなきゃいけない。自分が刺されたとしても守らなきゃいけない、それほどの気持ちでやっていたので、自分から見てそうじゃないように見える人を理解できなかったんですね。もちろん自分は、仕事も楽しくてやっていたんですが。

齋藤:副社長になられたタイミングは出産後ですか?保活などはどのような感じだったんでしょうか?

福添:私が住んでいる地域では、年度途中の復職を予定している保護者が1年間安心して育児休業を取れるようにと、認可保育園の「育児休業明け入所予約」という制度があるんです。その年度の5月から翌年の3月までの各月初日入所で、各園の0歳児クラスに2名の枠を設けています。ポイント制による選考などはなく、単純に抽選なんです。
うちの子は10月生まれで、普通は半年休んで4月に復職するか、1年半休んで次の4月に復職するかという選択になりますが、この制度で当選をしたので、丸1年育休を取って10月に復職しました。

復職前の夏に、現在エイベックス・ニコで代表取締役をしている鈴木瞳に「一緒に何かやろう」と言われて。「奈都子さん、まだ音楽作りたい?」と聞かれたんですが、「そうでもない」と答えました(笑)。
というのも、子ども産んでからというもの、ラブソングが全て子どもへの曲に聴こえてしまうんです。片思いの歌とか許されない恋とかがあまりピンとこない。一方で育休中にできたママ友が、「あゆ(浜崎あゆみさん)のライヴに行きたいんだけれど子どもがまだ生後6ヵ月で託児を利用できない」と言っていたり、子どもの保育園の先生がEXILEのツアーTシャツを着ていたりとか、運動会の最初の音楽がEXILEの「銀河鉄道999」だったりとか。そういう現象を目にしているうちに、「これはそろそろ、そっち世代に向けた事業をしたいな」と思ったんです。

プロのアーティストが作った音楽やダンスを提供
エイベックスだからこそできる子育て支援

齋藤:エイベックス・ニコで提供している母親向けサービスについて教えてください。

福添:体験を共有するプログラムとして2つの事業をメインに展開しています。1つは、プロのアーティストが作ったエイベックスオリジナルの音楽やダンスによる知育プログラム「バンビート」。ママダンサーが指導します。もう1つは産後のママ向けの骨盤ケアプログラム「コツミック」で、赤ちゃんと一緒に、音楽に合わせて楽しく身体を動かせます。ママのための本気でやるプログラムで体験した方からは「結構ハード」という声をいただきますね。

アーティストの中にも、子どもが生まれると子ども向けの曲を作りたいと思うようになる人が割といるんですよね。そんなアーティストたちが作った童謡の現代風アレンジや子どもも楽しいポップス曲などを、プログラムの中で使っています。
1歳半ぐらいで言葉の発達がまだ未熟でも、音楽にはたくさん反応するんですよね。そんな子どもたちの様子もとてもかわいいですね。うちの息子も歌ったり踊ったりすることが大好きです。

あえて夫婦で一緒に取り組む 朝の日課とは

齋藤:ご夫婦の家事育児分担はどのようにされているんですか?

福添:夫は夜の帰宅は遅いのですが、週2回はお迎えを担当してくれています。私も夜遅くまで仕事することもありますので、朝の家族のコミュニケーションを大切にしています。朝、保育園には夫婦で子どもを送っていき、一緒に通勤するんです。効率化を求めるなら分業にした方がいいんですが、そうするとケンカになると思ったんです。登園時にワンセットで動いていると、保育園の情報も2人でキャッチできるのでいいですよ。

齋藤:子育てと仕事をされていて、大変さ、つらさを感じることはありますか?

福添:子育てとの兼ね合いというよりも、仕事で例えば決まりかけていたことが決まらなかった時などには、つらく感じることもありますね。復職前は「この子と離れてまで仕事をする意義」を考えたこともあるんですが、育休中は育休中で、一日の中で話す大人がほぼいないつらさを感じたこともありました。子育てに専念しても、仕事に復帰しても、どこに行っても、いやなことや大変なことはあります。子育てと仕事の両立が大変なのではなく、生きていくということはそもそも大変なことが色々あるんだと思っています。
独身時代に本当に仕事以外の自分の時間がなかったので、子育てをしていて「自分の時間が欲しい」と思ったことはありませんね。

エイベックス・ニコは、「mocoonlab.」というブランド名でママ向け事業をやっているんですが、「コクーン(繭)」と「マザー」をかけ合わせた造語なんです。繭の中でママが羽を作って、チョウになって羽ばたいていく、そんな思いを込めているんです。
母親世代は、もっと自由でいいんじゃないかと思います。男性だからとか女性だからとか関係なく、色々な生き方があっていい。私の母は専業主婦でしたが、逆に、私が働くことを応援してくれ、子育てでも手を貸してくれることがあります。

齋藤:福添さんにとって「働く」とは何ですか?

福添:やはり、人とのつながりですね。その活動の中で価値が生まれれば、お金になっていく。NPOのような形でも、非営利の活動でもいいと思うんです。
育休時代に自分が人とつながっていなかったことがきつく感じ、そして子供に依存し過ぎたくないとも思いました。
自分の仕事でも育児、家事でも、自分のスタンスが揺らいでいると、例えば「旦那からメールが来ない」とか、悩まなくていいところで悩んでしまう。それはしんどいですよね。エネルギーのかけどころのバランスを、自分で取れる状態がいいですね。

齋藤:お子さんにはどんなふうに育ってほしいですか?

福添:生きてさえいてくれれば。あまりこうなってほしいとか、こう育てたいというのはないんですが…。人を傷つけず、のびのび育ってほしいですね。

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