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2016年08月03日

仕事をあきらめざるを得なかった転勤族の妻たちに「社会復帰に向けたキャリアアップの場」を提供する~TKT48

提供元: laxic

仕事をあきらめざるを得なかった転勤族の妻たちに「社会復帰に向けたキャリアアップの場」を提供する~TKT48

キャリアという側面を意識した、転勤妻コミュニティ

TKT「不動産部」とミサワホームさんとの打ち合わせ風景

ラシク編集長・宮﨑(以下、宮﨑):まずはTKT48とKEIO隊について教えて下さい。

浅井さん(以下、敬称略 浅井):代表を務める奥田美和さんが転勤妻になった経験を元にスタートしたのがTKT48(転勤族協会〜TKT48〜)です。転勤妻は「キャリアの断絶」「転勤先のコミュニティに溶け込めない」「転勤先での子育てへの不安」という悩みを持っていることが多いのですが、そんな転勤妻への「居場所作り」という役目も担っています。

居住エリアで分けるだけでなく、TKT48の中には「広報部」「企画部」「金融部」「不動産部」など業種分けした部署も存在していて、今までのキャリアを生かしながら活動しています。KEIO隊の中でも、私と河西さんは「不動産部」に属していて、ミサワホームさんから分譲エリアの1棟の企画を 一緒にやらせて頂き、転勤妻ならではの悩みや生活の工夫を住宅商品に活かす取り組みをしています。
*ミサワホームさんとの取り組みについて

その他、チーム茨城は水戸市役所とコラボして、「転勤妻視点の水戸みやげ物パンフレット」を制作し、チーム群馬は一般社団法人ママプロぐんまとコラボして、「高崎に転入してくるママのための情報誌」を制作するなど、転勤妻の視点を活かした形での自治体とのコラボレーションも行っていますね。

そして私たちのKEIO隊ですが、Facebook上でTKT48のメンバーとのやり取りをしているうちに「京王線沿いに住む人が多いよね?」というところから始まったんです。まずは近い人たちで集まって、お出かけなどをしながら地域活動や地域交流ができたら楽しいね、という気軽な気持ちで、今年1月に結成されました。メンバーは現在7人。TKT48チーム東京の中でも、より地元に密着したグループと言えるかもしれません。

宮崎:皆さん、もともとTKTはご存知だったんですか?

浅井:テレビで目にしていたことはあったのですが、東京に転勤になり、改めて転勤妻のランチ会がないかと検索した時に、いつもヒットするのがTKTだったのです。

中山さん(以下、敬称略 中山):転勤妻のコミュニティの中では、規模としてかなり大きいと思いますね。

浅井:転勤妻コミュニティの中でも、キャリアという側面の意識をかなりしている団体ですね。次の仕事につながることをかなり考えていて、「転妻インターンシップ」なども行っています。

転勤妻ならではのメリットを活かし、自治体・企業と協力してイベントを主催

KEIO隊ウェルカムパーティの様子

宮崎:KEIO隊の初めてのイベントである「ウェルカムパーティ」では、調布市や京王電鉄から後援や協力を頂いたとか。

浅井:「転勤妻ウェルカムパーティ」の計画を進める中で、京王電鉄さんや調布市さんをご紹介頂くことができ、ごあいさつに行ったんです。そこで私たちの活動を応援下さいまして、ウェルカムパーティでは、京王電鉄さんからはお土産のご提供を、調布市からは後援という形でご協力頂きました。

河西さん(以下 河西):4月に転入してくる人が多いので、「ウェルカムパーティ」のチラシを市役所の子育て支援の窓口に置かせてもらったりもしましたね。

浅井:ウェルカムパーティの他に、地元の方を講師にお招きしてカメラ講座を開催したのですが、KEIO隊としてのイベントの開催はビジネス感覚を取り戻すことにも役立っています。企画や運営のノウハウもたまっていきますし、SNSやword、excelなどのビジネスツールを使う機会も増えます。ツールを使っていくことも仕事のブランクを埋めていくのに大切なことだと思うんですよね。

柿崎さん(以下、柿崎):私は大学を卒業後、就職して半年後に妊娠・結婚・出産をしているので、社会人経験が少ないのです。だからKEIO隊に入って初めて「働くってこういうことなんだ」というのを学んだ気がします。たとえば、ビジネスメールを送るときの配慮や、仕事をするときの温度感なども実感しました。それまでは子どもも小さく、周りに働いているママが少なかったので、ビジネスの話をする機会はありませんでした。そういうモチベーションを持つ人と出会う機会を求めていなかった気がします。

浅井:この(KEIO隊の)メンバーだと、仕事だとちょっと聞きづらいな、と思うことも聞けちゃう(笑)。それが社会復帰へのリハビリになっている気がします。

宮崎:TKTだからこそ、地元企業や自治体に貢献できるポイントは?

河西:転勤族の人ってアンテナの張り方が全然違うんです。ずっと地元に住んでいる近所の友達の方が、地元のことを詳しく知らなかったりします。「深大寺行ったことない」「そんなお店しらない」みたいな。私、よく情報通って言われるんですけど、「いやいや、みんなが調べてないだけだよ」と(笑)。

浅井:転勤当初は友達がいない分、早く溶け込みたいという気持ちもあって、余計アンテナを張っていますね。

居住地や年齢など「今できること」を常に意識し、次に繋がるキャリアを作る

宮崎:転勤妻と仕事という観点の悩みを詳しく聞かせて頂けますか。

浅井:私自身、独身時代は名古屋で不動産関係の仕事をしていたのですが、最初の転勤先の長崎では、選べる仕事の幅が少なく、給料も安くて、悩みました。選択肢がないので、「働こう」という気持ちを緩めて、コミュニティ探しを始めつつ、気長に求人を探しました。でも、アルバイトとはいえ長期募集が多かったので、「転勤妻」や「新婚」と言うと遠まわしに電話口で断られることもありましたね。そこで職業訓練に通ったり習い事をしてみたりしながら、結局、契約期間の決まった県庁や市役所で働きました。

でも、転勤するまでずっと正社員でバリバリ働いていたので、「働けない自分」「求められていない自分」にすごくショックを受けました。改めて「キャリアって本当に分断されるんだ」ということを痛感しました。

宮崎:中山さんは今、フルタイムで働いていらっしゃるんですよね?

中山:1か所で長く仕事できない可能性もあるので、どこに行ってもできる仕事、ということは常に考えています。東京は地方より圧倒的に仕事の数も多いし、職種も多く、ワークスタイルも選びやすい。東京にいるうちになにか次につながるキャリアを作っておきたいと思って働き始めました。

宮崎:保育園は入れたのでしょうか?

中山:今の会社は託児所付きなんです。今住んでいる地域は待機児童も多く求職中では保育園には入れないので、託児所がある会社を探しました。おかげで春から保育園に入ることができました。

柿崎:転勤族って、「子どもの時間軸」「夫の時間軸」「自分の時間軸」3つのぜんぜん違う時間軸を考えて行動しないといけない。これってすごく大変なんです。

宮崎:柿崎さんも最近働き始めたと。

柿崎:実は仕事が決まったのは、KEIO隊に入ってからなんです。それまでは面接も落ちていて。先日の「ウェルカムパーティ」で司会をやった後に決まったんです。それまでは、自分の中のONとOFFのスイッチがわからなかった。そのONの入れ方のスイッチをKEIO隊で教えてもらった気がします。

以前、TKTの先輩に「転妻は転勤の度にキャリアが分断される。30代は気力と体力で何とかまかなえるけれど、40代は知力で補えるようテーマを持ったほうがいいよ」と言われたんです。現在、不動産のリノベーションをしている会社に派遣で勤めているんですが、それまでは知らなかった業界なんです。30代で気力と体力があるうちに未知の業界に飛び込むのもキャリアへの第一歩だと思いました。TKTやKEIO隊で頑張っている人たちから受けた刺激があって、今の私がある気がします。

大変なことも多いけれど、転勤族だからこそ見える視点がある

KEIO隊の皆さん。左から)柿崎さん、河西さん、浅井さん、中山さん

宮崎:お話を聞いていて、同じ場所に住むことに時間的制限があるからこそ、皆さん「今」を大切に生きていらっしゃる感じがします。

柿崎:転勤族っていつまで同じ場所に住むかわからないんですよね。幼稚園で送り迎えする道が「いつか思い出の道になるんだ」と思いながら歩くことがよくあって…。今楽しまないと、明日辞令が出るかもしれないので、生き急いでいる人が多いかな(笑)。

浅井:転勤族である私たちは、同じ土地にどれだけの期間過ごせるか分からない人も多いです。でも必ずみんないつかリミットがくる。だから1年目はこれをやり、2年目はこうしようというスケジュールをなんとなく頭でイメージして動いていますね。また大変なことも多いですが、一つの会社で働いていたら得られなかったことをたくさん得ることもできるんです。私自身、長崎にいたとき行政で働くことで、行政の考え方や市政を垣間見られたことはとても面白かった。
それに、出身地以外にふるさとと呼びたくなるような地域が増えていくことは、かけがえのないものだと思います。縁あって転勤族になったことは、色々な経験と視点を獲得できる自分の強みだとも思っています。

宮崎:最後に、これからのKEIO隊の目標を教えてください。

浅井:KEIO隊が始まったばかりの今は、まずは地域を知り、地域のイベントに参加することを目的にしています。また毎月、定例イベントを開催する予定です。そして来年にはもう一歩ステップアップして、地域活性のお役に立てる何かができたら良いなと思っています。今はそのヒント探しの意味でもみんなで京王線沿線を楽しんでいます。

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