camilyを便利に使おう

3つの質問に答えて、
自分にあった記事リストにしよう

会員登録はいりません

  • 1
  • 2
  • 3

2016年10月18日

専業主婦から町工場の2代目社長へ 注目の女性経営者に聞く、社長業と子育ての流儀

提供元: laxic

専業主婦から町工場の2代目社長へ<br /> 注目の女性経営者に聞く、社長業と子育ての流儀

社長というのは認める側であって、認められる側ではない
私の悪口を言うことで社員がまとまるならばそれも1つの形

ダイヤ精機の社員の皆さまと諏訪社長

ノヴィータ社長 三好(以下、三好):お父様が亡くなられて、社長に就任された後、リストラを含め多くの改革を行われていますよね。お父様と違った改革をされたことで、当時は従業員の反発も多かったと思います。どのように改革を進めていったのでしょうか。

諏訪さん(以下敬称略、諏訪):父がいた時代に厳しい状況であった会社の問題点の分析やリサーチはできていましたので、社長就任後は改革をするだけでした。最初は私だけが悪者になって「あなたたちの底力を私に見せつけて!」というスタンスで入っていきましたね。私の悪口を言うことで働く人たちの間で一体感ができるならそれでいいと。
その後は時間をかけて、1人ひとりとコミュニケーションを取り、徐々に理解してもらうようにしましたね。また分からないことは分からないと素直に聞くということは心がけていました。

三好:最初に社長になって、「私1人を悪者に」というスタンスが取れるのはすごいなあと思うのです。社長って本当は孤独なものだけれども、なかなかそうなれない人が多いのではないかと。

諏訪:過去2回、私が従業員としてダイヤ精機で働いていた時代も、父の悪口を言いながら他の人にとけ込んでいったところはあって、その時に一体感が生まれた経験をしているからかもしれないですね。

三好:私自身は昨年社長になったばかりで、社長就任後に妊娠・出産を経験し、働き方が変わったこともあって、「どうやったら認められるか」と悩むことがあります。

諏訪:社長というのは、認める側なのです。だから認められなくてもいいんですよ。「認められたい」というような不安は社員には伝わるんです。だからこそ「この人についていきたい」と思うような毅然とした態度でないと、社員さんがかえって不安になってしまいます。

私も最初、リストラを決めた時には、全員が他の会社に引っ張られて辞めてしまうかもしれないという覚悟をしました。でも、リストラは私の決断だし、やり方です。もし全員いなくなったとしても、日本中を探せば共感してくれる人も現れるのかもしれないと思い、覚悟を持っておこなったんです。そのくらいの覚悟がないと、自分に負けてしまうんですよね。

私は突拍子もないことをやりますが、最初は社員さんに理解されなくてもいいと思うんです。でも、結果を残していけば、次にする突拍子もないことは期待になっていくわけです。それまでは時間もかかりますが、きちんと結果を出しさえすれば、経営者は認めてもらえ、ついてきてもらえるのです。

三好:私自身は、合意を取りながら進めていきたいなと思っているところがあって、試行錯誤をしています。

諏訪:合意を取って、社員さんに「いいんじゃないですか」と言われると、「みんなの合意の元に進めた」という逃げ道にもなってしまうのです。だからこそ私の場合、提案は聞きますが、未来の自分の取り組みに対しての相談はしていません。最終的に責任を取るのは自分ですから。みんなから意見と提案を聞くことは凄く重要だと思います。でも、そこから何を選ぶかを決めるのは、経営者の仕事だと思うのです。

3日で飽きた専業主婦
仕事は夢や目標があってはじめて続いていく

ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013大賞受賞時

三好:ダイヤ精機に社長として就任される前の、専業主婦時代にも結婚式の司会業をされたり、精力的に動いていらっしゃいますよね。

諏訪:実は専業主婦には3日で飽きたんです(笑)「何かやりたい!」と思い、最初はブラインドタッチの練習と思ってはじめたタイピングゲームにはまりました(笑)。会社員時代にタイピングが遅くて悔しい思いをしていたので、「苦手を克服したい」と思ったんです。昼間、必死にいいスコアを取っても、夫が家に帰ってきてすぐ抜かれてしてしまう。だから夫に勝つためにものすごく頑張りましたね(笑)。

そこから「外に出たい」と感じるようになり、「人と話すのが苦手」だったのでそれを克服しようと、結婚式の司会の仕事の勉強をするようになりました。

当時の私の目標は、「結婚式の司会者になること」だったんです。だからこそ、司会者になるまではめちゃくちゃ勉強したのですが、なった瞬間に目標が達成されてしまい。次第に「つまらないなあ」と感じるようになりました。今考えると、「司会者として指名率NO1」とか、違う目標を設定できてればよかったんですけどね。

私、仕事が長続きするのは社長業が初めてなんです。そう考えると、仕事って夢や目標があって初めて続いていくんだなと思いますね。

三好:社長に就任される前に、「いつか社長になるかも?」と思っていらっしゃったのでしょうか。

諏訪:社会人になる前は「もしかしたら?」という気持ちはどこかにあったと思いますが、そこには触れていませんでしたね。社長就任以前に会社を手伝っていた時も、父と意見の食い違いがありましたし、父が生きているうちはありえないなと思っていました。2回クビ*にもなっていますしね。次の社長はもしかしたら息子かなと思いつつ、その前に中継ぎくらいはやるかもしれないな・・・と思っていた程度です。
*注)当時の社長であったお父さまに頼まれてダイヤ精機を手伝った際、業務改善のためにはリストラをすべきだと言う提案をして、2度クビになったことがあるそうです。

ピンチの時には必ず助ける!
その安心感が、親子の信頼関係に繋がる

三好:社長就任時は、旦那様の海外勤務が決まった時期とも重なり、諏訪さんにとってもお子さんにとっても環境が激変したと思います。不安はなかったのでしょうか。

諏訪:社長には私しかいないという気持ちで就任したので、不安というよりも、やらなければいけないという気持ちでしたね。

当時、子どもは小学校1年生だったと思います。夫はアメリカに行く時、息子に「お母さんはお前が守らないとダメだぞ」と伝えたんですね。それが本人の心に強く残ったようで、夫に会いにアメリカに行く時も、長時間のフライトにも関わらず私の荷物まで持ってくれるほど頑張っていました。また私の母は、女性が働くなんてかわいそうという考えを持っている人だったので、「寂しいんじゃないか」と息子によく聞いていたんですが、その度に「僕は寂しくないから大丈夫。お母さんは仕事を頑張っているんだから」と答えていたようです。息子に救われた部分は多くありますね。

三好:小学校時代は学童に行かれていたのですか?

諏訪:実はうちの子は学童を一日で辞めたのです。でも、私は小さい時からこの近くに住んでいて、同級生の子ども同士が同級生ということも多く、コミュニティができていたのです。だから息子は放課後にサッカークラブや近所のお友達のうちに行ったりして過ごしていました。その代わり、週末は私がご近所の子ども達を預かったりして、持ちつ持たれつ協力しながら乗り切りましたね。

そんな息子も19歳になり、大学では「国際社会学科」という学問を選び、経営も学んでいるんです。最近は、経営についての話しもするようになりました。公務員になりたいと言っていますが、この間、会社に取材が入った時、息子が「母親がいつどうなってもいいように準備だけはしておきます」と答えていたのには私自身が驚きました。

三好:子育てと仕事の両立の中で、諏訪さんが大切にしてきたことはどんなことでしょう?

諏訪:ワークライフバランスが取れていたかというと、取れていなかったと思うんです。そして、息子にはかわいそうな思いをさせた部分もあるかもしれません。でも彼が困っている時にはとことん付き合うことを大切にしていました。

受験の時もそうですが、息子の様子が少しおかしいなと感じた時は、仕事を休んででも全力で対応してきましたね。会社を3週間休んで対応してこともあります。会社のみんなの協力があってできたことですが、ピンチの時に全力で助けることで、親子の信頼関係がうまれると思っています。そう言えば昔、私が理不尽だと思った出来事に、父親が抗議してくれたことがあったんです。「ピンチの時には必ず助ける」ということは父から学んだことなのかもしれません。

三好:息子さんが子どもの頃から会社に連れてきたり、海外視察に一緒に行ったりされていらっしゃったと伺いました。仕事をしている場を見せることのメリットや、お子さんの進路や考えに影響があったと感じる部分はありますか?

諏訪:これからは女性が活躍していく時代ですから、そう言う意味では、女性が働くことが当たり前だと理解していることはプラスになると思います。また、働いているという、いつもとは違う一面を見せることによって、「働くこと」や「仕事」についても伝えることができたのではないかなと。

大学などの進路を決める上でも、アドバイスできることは多く、息子自身が頼りにして聞いてくれましたね。

女性リーダーに必要なものは、自分らしさ
一人の女性であり経営者としての自分

ダイヤ精機(株)代表取締役・諏訪貴子さんとノヴィータ代表取締役社長・三好

三好:女性がリーダーとして社会で活躍するために、必要なことはなんでしょうか?

諏訪:最初は女性がリーダーとしてやっていくために、男っぽくするのが正解だと思っていたんです。でもそうではないなと。女性は女性らしく働くべきだなということを、社長に就任して4〜5年目くらいで思えるようになりました。私は私でいい。一人の女性であり経営者でいいのかなと。だからこそ、女性らしさは忘れたくないし、女子力をあげるために日々頑張っています(笑)。

自分を飾りすぎると人は離れていくと思うんです。自分らしい経営をして、結果を残していけば人はついてきてくれます。だからナチュラルな姿勢は大切にしていますね。

他の記事を読む

子育ての記事

    ©camily 働くママとパパの仕事と育児をもっと自由に