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2016年08月11日

【働くママが会社を変える!あなたの会社に在宅勤務を導入する方法(1)】在宅勤務ができると、働くママはこんなに助かる

つわりで苦しいとき、保育園が見つからないとき、子どもが熱を出して呼び出されたとき…「うちの会社にも在宅勤務制度があれば」なんて思うことはありませんか?
大手企業が次々と導入している話題の在宅勤務を、自分たちの会社に取り入れる方法はあるのでしょうか。テレワークの第一人者・田澤由利さんにお話を伺いました。 (写真 田澤 由利さん)

在宅勤務のメリット

少し前に「保育園に子どもを預けられないから働けない」という趣旨のブログが大きな話題になりましたね。小さい子どもを育てながら働くのは本当に大変です。保育園に預けられるかどうかは大問題です。
たとえ保育園に預けられても、お迎えの時間が決まっているので残業はできないし「子どもが熱を出した」などと電話で呼び出されることはしょっちゅう。出産前と同じようには働けません。
卒園してからも仕事と育児の両立は続きます。小1や小4の壁、思春期、子どもの受験、夫の転勤、親の介護など、いろんな問題が働くママを待ち受けています。「10年後も同じ会社で安心して働き続けられるだろうか」と考えると不安になる方も多いでしょう。

在宅勤務制度は「10年後も同じ会社で安心して働き続けたい」という方のための制度です。

働くママにとって、在宅勤務制度にはどのようなメリットがあるのでしょうか。実際に在宅勤務制度を導入している弊社の視点でご紹介します。

保育園からの呼び出しがあっても後ろめたくない


保育園から「子どもが熱を出したからお迎えに来てください」と呼び出しの電話がかかってきたとき、普通だったら「ごめんなさい、先に帰ります」と周りの人に謝りながら迎えに行くでしょう。周りの人は表向き「いいよいいよ」と言いながら「また子育てのせいで。この後の仕事どうするんだろう」「私に押しつけて帰るわけ?」と心の中で苦々しく思う。
この状態は子育てに優しくないけれど、周りの人に不満を持つなというのは無理な話です。みんな一緒にチームで仕事をしているわけですから。

では「すみません、子どものお迎えに行きますが、今日の分は家に持ち帰ってやります」と会社を出たらどうでしょう。印象が違いますよね。
1時間早く帰ったから1時間家で残業をする。仕事の総量は変わりません。ママも周囲の人も、お互い嫌な気持ちはしないはずです。
在宅勤務ができれば、保育園からの呼び出しがあっても後ろめたくない。これは大きなメリットです。

仕事と子育ての両立のために時間が有効に使える


たとえば弊社では、在宅勤務中に「中抜け」ができます。
先日、ある従業員が在宅勤務の日に「30分だけ抜けます」と言いました。「たった30分で何が出来るんだろう」と思っていたら、家庭訪問でした。もし会社に勤めるママだったら、家庭訪問の日は一日か半日、仕事を休まなければいけません。
在宅勤務なら、30分間だけ先生と子どものことについて話し合ったあと、すぐに仕事に戻れます。
「家庭訪問くらいで休むな」という意味ではありません。家庭訪問がある日だから休む、という考え方もありだと思います。でも「仕事が溜まってあとが大変」というママには「働く」という選択肢もあったほうがいいですよね。

さらに時間の有効利用という意味では、仕事と生活の間にある「通勤」という時間を省くことができることも大きなメリットです。
在宅勤務をすれば当然、通勤時間はかかりません。
満員電車の移動でムダに費やしていた時間と体力を、仕事や子育てなどに割り当て、有効に使うことができます。

子どものそばで働ける


職場に遅刻しないために、朝は「保育園に遅刻しちゃうでしょ、早くしなさい!」と子どもを急き立てる。夕方は駆け足でお迎えに行って、家に帰ってからもお風呂、夕食。早寝させなきゃと「早くしなさい。お母さんも大変なんだから」。土日も家事で忙しい。
「早くしなさい」ばかり言われた子どもは、「自分が後回しにされている」と不安になりますよね。

ママが近くで仕事をしている姿を見せられれば、子どもの不安は減らせます。
「今からお母さん仕事だからね」と仕事をして、しばらくすると「終わったよ」と抱っこする。子どももお母さんも安心ですよね。

働くママの背中を子どもに見せられる


在宅勤務をしていると、子どもは「働く母親」の背中を見て育ちます。これは生きたキャリア教育です。 将来の子どもの職業観にも大きく影響することでしょう。
私の仕事をする背中を見て育った、我が家の3人の娘たちは「働くのは当たり前だ」と思っています。彼女たちとって「働かない」という選択肢はありません。「お母さんみたいに働きすぎるのは、イヤ」とは言いますが(笑)。

妊娠・出産後も自分のキャリアを継続できる


在宅で仕事を続けることにより、キャリアを継続できるというメリットも大きいです。
ただし、単純に「在宅勤務=キャリアが続く」というわけではありません。在宅勤務を理由に自分の仕事の範囲を制限してしまうと、成長が止まってしまいます。キャリアの幅を広げるためには、オフィスで働くのと同じように、自分のスキルを磨き、時間あたりの成果・生産性を高める努力が必要です。

働き方は人それぞれなので、バリバリ働きたい人がいる一方で「家庭が大事だから仕事はほどほどでいいわ」という人もいます。それは働く場所がどこでも同じですよね。自分が納得できる働き方の選択肢があることが重要です。

念のためにお伝えしますが、もしも「在宅勤務ができたら楽だ」と思っていたとしたら、それは誤解です。 在宅勤務も勤務ですから仕事。決して楽ではありません(楽をしたい時は仕事を休みましょう)。

ママ以外の人にもメリットがある

一般的に、「在宅勤務は働くママのための制度」と考えられがちですが、私はそうではないと考えています。ママ以外のすべての働く人にもメリットがある制度です。
数年後には現在40〜50歳代の働き盛りを中心に、男女とも親の介護に関わる人が続出します。介護離職は本人にとっても大変な問題ですし、会社にとっても大きな痛手です。

毎日ではなくとも、在宅勤務が必要な日、必要な時間だけでも取り入れられれば、働き方は大きく変わります。
これまでのように「毎日、決まった時間に、決まった場所に来られる人しか雇えません」という会社は、人材不足時代において、会社を支えてきてくれた社員がいなくなり、新しい人を募集しても来ない、という状況になりかねません。できるだけ早く、在宅勤務ができるように会社を変えていかないと、会社は生き残れないのです。

それを変えることができるのは、今まさに、子育てと仕事の両立の中、在宅勤務の必要に迫られているママたち以外にありません。みなさんが声を上げて「在宅勤務の必要性」を伝えていきましょう。
政府も女性活躍を推進し、在宅勤務をはじめとするテレワークの支援に力を入れています。この波に乗りながら「私が会社を救ってあげる」くらいの気持ちで、在宅勤務の導入を会社に働きかけていただきたいと思います。
この連載がその一助になれば幸いです。

(文・曽田 照子)

次回テーマは「まず在宅勤務とは何かを知る」8月25日更新予定です。

専門家:田澤 由利

テレワーク推進の第一人者。2008年日本初のテレワーク専門会社(株)テレワークマネジメントを設立。テレワーク導入支援、普及事業等を広く実施。著書に「在宅勤務が会社を救う」。内閣府政策コメンテーター。平成27年度情報化促進貢献個人等表彰にて総務大臣賞受賞。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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