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2016年09月22日

【働くママが会社を変える!あなたの会社に在宅勤務を導入する方法(4)】在宅勤務は日本を救う!

前回まで、働く人のメリット、企業のメリットを見てきました。今回はもっと大きな視点で在宅勤務が国全体の問題を解決するというテーマです。

在宅勤務制度の現状

毎年6月に総務省が「通信利用動向調査」の結果を発表しています。
在宅勤務が増えていると言いますが、実際には在宅勤務を制度として導入しているのはまだ4%未満(平成27年の結果より)。中小企業に至っては全然できていない。むしろ在宅勤務制度はないが「サービス在宅残業」はあるという会社が多い状況でしょう。

雑誌「日経ウーマン」は、毎年6月号で「女性が活躍する会社Best100」を発表しています。最初のころは在宅勤務制度を導入している会社はベスト10のうち2〜3社でしたが、今年は上位10社のうち8社が在宅勤務制度を取り入れています。多いですよね。むしろ制度がない方が恥ずかしい時代になってきました。

しかし全員が一斉に在宅勤務できるようにするというのは一部のIT企業以外は難しいでしょう。 先日、日本航空の在宅勤務を取材しました。パイロットやキャビンアテンダントなど現場で働く人たちは、在宅勤務はできません。

しかし企業にはデスクワーク、オフィスワークをしている人もたくさんいます。その人たちがどうやったら在宅勤務ができるかという視点で制度を導入しています。

小売業などではお客さんと接するのが仕事だからできない、と考えてしまいがちですが、日本航空のようにその企業にあった在宅勤務の形はありますし、業種によっては話題性がありマスコミにも取り上げられます。宣伝効果も高いでしょう。
これからの大きな流れは、その企業に合った形の在宅勤務制度を導入しよう、という方向へと動いています。

女性を活用し労働力不足を解消する在宅勤務

弊社には、これからテレワークや在宅勤務制度を取り入れたいという企業からの相談が多くあります。 全員が在宅勤務やテレワークができなくていいです。まずは希望する子育て中の女性から、在宅勤務ができるようにしていくことが大事だとお答えしています。

テレワークならば就労できる可能性がある人口を調べてみたんですが、非労働力人口のうち出産・育児のために働けない人がおよそ100万人。ほとんどが女性です。労働力不足と言っていても、働きたい人が働けないという状況があります。

2013年、安倍首相にお会いした時に、女性が10人いれば仕事に対する思いもさまざまですというお話をさせていただきました。
以前安倍首相は「3年抱っこプラン」とおっしゃっていましたが、休みを増やすのは「専業主婦がいい」「ほどほどに働きたい」という人には、ありがたい制度です。でも「しっかり働きたい、キャリアロスしたくない」という人たちは「休んでいられないわ」と思っています。 「待機児童対策も大事ですが、保育園を卒園した後も、子育てはまだまだ続くんですよ。だから働き続けるための方策を整えれば、このしっかり働きたい女性たちが喜びますよ、彼女たちこそ総理がおっしゃる女性登用の対象者じゃないですか」と。
図:[田澤由利]テレワーク普及への取り組みより引用

最近は育児休業中でも短時間の在宅勤務ができるようになりました。以前は育休は休むか、すぐ会社に戻って働くかしかなかったのですが、働きたい人は働ける、休みたい人は休める。選択ができることがすごく重要です。
赤ちゃんを抱えていると出社するのは大変じゃないですか。
赤ちゃんが寝ている間の1〜2時間、在宅勤務で働ければ家計も助かるし、会社の浦島太郎にもならずに済みます。
出社以外の緩やかな復帰時間は非常に有効です。

介護離職を減らし企業を強くする在宅勤務

私は管理職研修に呼ばれることがありますが、彼らは「在宅勤務は子育てママのための制度」と人ごとだと思っています。
しかしこれからの日本は、さらに少子化が進み、女性が社会進出し、高齢者も働くようになります。そうなると男女問わず、働きながら家族を介護するのが普通になってきます。そんな状況で「朝から晩まで出社できる人しか雇えません」という企業では、介護のために会社を辞める人が続出します。
男性管理職には「介護のために辞めざるを得ない人」のひとりが自分になるかもしれないということを考えていただき、育児という切迫した理由で、今、新しい働き方に挑戦しようという女性たちに『おまえらのためにやってやる』ではなく『会社や僕らの未来のために新しい働き方に挑戦してくれてありがとう』と考えて下さいと伝えています。

子育てママのためではなく、みんなのために在宅勤務制度が必要なのです。
企業にとって本当にメリットがある在宅勤務の導入には時間がかかります。5年10年かかるかもしれない。でも「時間がかかるからやらない」という会社は駄目になっていくでしょう。
いま子育て中のママ自身も考え方を変えるべきでしょう。「保育園さえ乗り切ったら」と短期的に考えがちですが、子育てはその後も続きますし、子育て中に親の介護が始まる可能性もあります。
ずっと働き続けたいならば「自分たちで会社を変える!」「私が会社を救ってあげる!」くらいの思いがあっていい。
会社を変えるのに手っ取り早いのは、トップに「このままでは会社は潰れますよ」という危機感を感じてもらうことです。

在宅勤務で地方活性化

東京に集中している仕事を地方でもできるという体制を地域と企業が協力して作る必要があります。
親の介護のために田舎に戻る人も、在宅勤務制度があれば、会社を辞めることなく働き続けることができます。
首都圏では保育園不足の問題がありますが、地方では保育園は不足していません。
地方や故郷で子育てをしたいと思う人が、仕事を辞めずに移住することができれば、女性の働き方はもちろん、理想の子育ての形も変わるかもしれません。
地方創生、ふるさとテレワーク事業など、現在も国や自治体の協力で様々な施策が行われています。
在宅勤務制度が充実することで住まいとして地方を選ぶ人が増えれば、地域が活性化します。

(文・曽田 照子)

専門家:田澤 由利

テレワーク推進の第一人者。2008年日本初のテレワーク専門会社(株)テレワークマネジメントを設立。テレワーク導入支援、普及事業等を広く実施。著書に「在宅勤務が会社を救う」。内閣府政策コメンテーター。平成27年度情報化促進貢献個人等表彰にて総務大臣賞受賞。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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