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2018年10月29日

重すぎるランドセル……小学生の「置き勉」問題を考える

小学生のランドセルが重すぎる、という意見を受けて文科省が全国の教育委員会などに「置き勉」を認めるよう通知を出しました。さて、どういうことなんでしょうか。「置き勉」問題を考えてみました

置き勉問題とは

まずは「置き勉」の何が問題とされているかを整理しましょう。「置き勉」とは、教科書やノート、ワーク等の勉強に必要な用具を学校に置いておくこと。
多くの小中学校ではその「置き勉」が禁止となっています。教科書やノートを置いていったら家庭学習できないというのがその理由です。すると子どもたちは毎日教科書・ノート・資料集・ドリル・プリントその他のフルセットを学校から家に持ち帰り、翌朝持っていくということになります。
当然、ランドセルは重くなります。時間割通りに揃えれば軽い日もあるでしょうけれど「忘れ物をするくらいなら全部入れっぱなし」と考えてしまう子どもも少なくありません。
ランドセルメーカーのセイバン(兵庫県)が今年3月、調べたところによると、週のうち最もランドセルが重い日の荷物は平均で約4.7キロ。ランドセルの重さも含めると平均約6キロを背負っているという結果が出たそうです。
中には10キロ以上もの重いランドセルを背負っている子も。小学生のランドセルは重いもの、でもそれは「子どもにとって重い」であって、客観的に子どもの体重の20~30%もある荷物を持たせるのはどう考えてもちょっとまずいんじゃないかと思います。
育ち盛りに、そんな重いものを毎日持ち運んでいたら、骨や関節に悪い影響が出るんじゃないかと心配です。登下校中に事故や不審者に遭遇した場合に素早く動けないのもよくないですし、心情的には必要ない荷物を運ばされる子どもがかわいそう。重くて学校に行くのが嫌になるということもあるでしょう。

ところで、置き勉問題、このまま学年が進むとどうなるかというと、個人的な例ですが、うちの娘たちの中学時代のカバンはなんと15キロもありました。中学3年生の2学期には学校指定のカバンが重さに耐えかねて壊れるレベルの重さ。高校生になると逆に電子辞書、タブレットなどの活用で少しは軽くなります(といっても5キロ以上の荷物を持ち歩いていましたけどね)。いずれにしても重い問題です(うまいこといった!)

文科省が動き出した

これまでも置き勉に対するアクションは父母会やPTAが学校に働きかけて「置き勉OK」とした学校や、市町村議員が調査するなど、あちこちで起こっていましたが、9月6日、文部科学省が全国の教育委員会に対し、通学時などの持ち物の重さや量を工夫して負担を軽減するよう通知しました。
通知は
(1)家庭学習で必要のない教科書やプリントなどの教材を机の中に置いて帰ることを認める
(2)1日で多くの学用品を使う場合、あらかじめ数日に分けて持参するよう指導する
(3)学校で栽培した植物などを持ち帰る場合、保護者が取りに来ることも可能にする

―といった取り組みを例示し、参考にするよう呼び掛けた。

参考:文部科学省 児童生徒の携行品に係る配慮について

置き勉問題を解決するいくつかのアイディア

ではどうしたら置き勉問題が解決するのか、私なりに考えてみました。

ランドセルを見直しては?

ランドセルのファッション化、高級化にともない、ランドセル本体の重さもあるでしょう。小学生の象徴ともいるランドセルですが、そろそろランドセルにこだわる時代はおしまいにした方がいいかもしれません。全員がもっと軽いナイロン製のリュックなどに「せーの」で替えてくれたらいいのにと思います。タイヤのついたショッピングバッグを引いていくのもいいですよね。

教科書をもっとシンプルにしたら?

最近の教科書、とても紙質がよく、印刷の発色も素晴らしいのですが、紙質がよいために持ってみるとずっしり重いんですよね。全ページフルカラーで高級そうな紙を使う必要があるのかどうか、それよりコンパクトで軽く、子どもにとって取り回しのしやすい大きさ・重さの教科書とは何なのか、教科書を作る出版社が真剣に考えてもいいのではと思います。
海外では、先進国でもそもそも1人1冊の教科書は配布されず、学校に備え付けの教科書をみんなで使うのがあたりまえ、というケースも少なくないそうですよ。

電子教科書を導入したら?

高校生の三女がテスト直前にタブレット端末を出していたので「勉強大丈夫なの?」と聞くと「教科書撮影してきたからOK」とのこと。電子化された教科書が配布される前に、自分たちで電子化しちゃっているんですね。使い勝手について聞いてみると、デジタルネイティブな世代には特に問題なさそうです。
タブレット端末自体が少し重いんですが、いずれ時代は進んですぐに軽くなるでしょうし、すべての教科書を持ち歩かせるよりは1台の端末でまかなう方が、たぶん軽いですよね。

教科書を分冊化してみては?

1年間あるいは半年間に習う単元をすべて持ち歩かせずに、今の学習に必要な部分だけを持ち歩く、というスタイルにしてもいいんじゃないかなと思います。教科書の製本をバインダーにするだけでいいので大きな費用もいりませんよね。これから学習する部分は学校が管理し、終わった単元は家で保管というスタイルだと、復習もしやすいんじゃないかと思います。 分冊化すると授業中「前にやったここと関連があるよ~」となったときにサッと見られないのが不便、という意見を目にしたのですが、そのページだけ先生が電子黒板に映しだせばいいんじゃないの?と思います。

親にできることは?

色々と考えてみましたが、すぐに実現化しそうなアイディアは出てきません。
では私たち親にできることは……というと、あたりまえですが子どもの心身の健康を守る、の一点ではないかと思います。
子どもの心身の健康に重すぎるランドセルが悪影響を与えていないか時折チェックして、それほど重くないならよし。もしもあまりにも重い場合は、担任の先生に連絡帳で相談したり、保護者会やPTAのときに話題にしたり、といった働きかけをすることを考えてもいいんじゃないでしょうか。

(文・曽田 照子)

著者:曽田 照子

ライター生活25年、3人の娘の母、子育てNGワードの専門家。子連れお出かけガイドの編集を機に育児書執筆の道へ。著書『子どもが自信を失う66の言葉』学研パブリッシング、『子どもに言ってはいけない55の言葉』メイツ出版など多数。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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